2012年の記事から  秘密保全法案と民主党~どこから出てきた特定秘密保護法案?~

2013年12月08日06時08分掲載  無料記事  印刷用

政治
2012年の記事から  秘密保全法案と民主党~どこから出てきた特定秘密保護法案?~

 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201312080608240


 日刊ベリタの2012年4月に掲載された、池田達夫氏による<〝右旋回〟の時代状況を反映 「自民・改憲案」と「秘密保全法案」>という記事がある。ここには民主党の野田政権の時代に、特定秘密保護法案のもとになったと思われる「秘密保全法案」が国会提出されようとしていた経緯が批判的に書かれている。この秋、自民党によって急ごしらえされたものではないらしいのだ。今、自民党と公明党ばかりがやり玉に挙がっているのだが、民主党はこの法案にどうかかわって来たのか?

  以下は2012年4月の池田達夫氏の記事の抜粋である。

▽知る権利の侵害が心配な「秘密保全法」
 一方、民主党政権が国会提出を急いでいる「秘密保全法案」に対して、日弁連など有識者やマスコミ諸団体から批判の声が上がっている。有識者会議が昨年8月まとめた報告書によると、秘密保全法案は、防衛・外交・治安に関し、重要だとして国が指定した「特別秘密」を漏らした公務員や閣僚らに最高5年か10年の懲役を科す内容。そもそも、2010年に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出や、警視庁などの国際テロ情報が漏洩した事件が背景にあって、この法案策定の動きが急ピッチで進められてきた。

 すでに明らかになっている「報告書」を読むだけでも、運用次第では国民の重要な「知る権利」を侵害しかねない危険性をはらむ法案だ。毎日新聞3月4日付朝刊が特報した記事によると、報告書議事録がまたまた作成されていないことが判明した。先に、原子力安全・保安院や東電関係者の原発関連議事録を策定しなかったことに続く不祥事で、官僚システムの〝無責任構造〟には呆れ果てる。法令制定過程などが事後に検証できるよう文書作成を義務づけた公文書管理法(11年4月施行)に違反しており、しかも「秘密保全法案」の審議が隠蔽されるとは、とんでもない事である。半年間で6回も審議したのに、A4判2枚程度の要旨だけでは、検証の役に立たないではないか。

▽処罰範囲が曖昧で、拡大解釈の恐れ
 日本弁護士連合会は会長声明を発表、「当該秘密保全法制では、規制の鍵となる『特別秘密』の概念が曖昧かつ広範であり、本来国民が知るべき情報が国民の目から隠されてしまう懸念が極めて大きい。また、罰則規定に、このような曖昧な概念が用いられることは、処罰範囲を不明確かつ広範にするものであり、罪刑法定主義等の刑事法上の基本原理と矛盾抵触する恐れがある。 禁止行為として、漏洩行為の独立教唆、扇動行為、共謀行為や、『特定取得行為』と称する秘密探知行為についても独立教唆、扇動行為、共謀行為を処罰しようとしており、単純な取材行為すら処罰対象となりかねず、そこでの禁止行為は曖昧かつ広範であり、この点からも罪刑法定主義等の刑事法上の基本原理と矛盾するものである。現実の場面を考えても、取材及び報道に対する萎縮効果が極めて大きく、国の行政機関、独立行政法人、地方公共団体、一定の場合の民間事業者・大学に対して取材しようとするジャーナリストの取材の自由・報道の自由が侵害されることとなる」などの問題点を鋭く指摘している。

 外交防衛分野の情報管理問題を論議している民主党「インテリジェンス・NSCワーキングチーム(WT)」は、「秘密保全法案」に絡んで、国会に「秘密委員会」(仮称)を議員立法で設置し、特別秘密の内容・範囲が適当かチェックさせる制度の検討を始めた。このWT案には「国会の監視機能を担保するため、国会議員の保秘に関する法的措置が必要」と明記されており、委員会所属の議員が秘密を漏らした場合の罰則も視野に入れているという。

 この毎日新聞2月29日付朝刊が報じた問題について、右崎正博・独協大法科大学院教授(憲法)は「委員会に所属した議員は、守秘義務が生涯課せられる可能性があり、憲法が保障する自由な言論を縛られる。国民への情報が減り『知る権利』も制約される。米国議会の同種の委員会は、大統領の強い権限を監視する役割があり、議院内閣制で憲法に平和主義を持つ日本と事情が異なる。秘密を守る法が必要なら、国会は秘密の範囲を縛るルールを法で定め、厳格に運用されるよう国政調査権を行使し、日々監視する役割に徹すべきだ」と警告を発している。オープンな議論抜きで、〝言論監視〟的法案が密かに練られていること自体、由々しき問題ではないか。

 以上、急浮上してきた二つの「法案」の問題点を指摘したが、「自民改憲原案」は保守色濃厚で、「治安維持法」によって言論を弾圧した昭和10年代の〝悪夢〟を想起する。現在の民主党と自民党の姿が、戦前の政友会・民政党の体質に酷似してきたように思えてならないからだ。議会政治が機能せず、国民は〝閉塞状況〟に喘いでいるのである。橋下大阪市長が「維新8策」を掲げて〝世直し〟のヒーローに躍り出ようと画策しているのは、この時代状況を鋭敏に察知したからだが、〝ポピュリズム〟の危険性が見え隠れする。

 法案提出者はいずれも、「社会秩序擁護のため」と説明しているが、〝言論統制〟の意図は明々白々だ。「情報公開・知る権利は、国民主権国家の支柱」との決意を再確認し、〝悪法〟成立を許してはならない。

*本稿は「メディア展望」4月号(新聞通信調査会)に掲載された「プレスウォッチング」の転載です。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201204020913151


  池田氏の記事によると、民主党のワーキングチームがすでに同様の趣旨の法案を準備していたことがうかがえる。今、自民党・公明党に対する責任追及の声が高まっているのだが、民主党についてはどうなのか。国会議員が秘密の適格性をチェックできる体制を設けようともしていたようだが、その議論の進め方や法案の中身は記事によると今回の特定秘密保護法案に似た印象を受ける。

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