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差別語「ブラック」使用者とプロ野球観戦


 河添誠はトロントで活動家に指摘されて気づかされた──アメリカなどでは、ブラックに悪を含意させて使ってはいけない、と(※注1)。しかし彼は不思議なことに日本では差別語「ブラック」を使ってもいいと考えているようだ。


 推測の域を出ないが、彼が引き続き差別語「ブラック」を日本で使う理由は、米国などでは黒人が沢山いるから差別語「ブラック」は使えないが、日本には黒人はほとんどいないから、たとえ差別語であっても使えると考えたのであろう。これはたとえ差別語を使っても、日本国内では存在を無視できる黒人に糾弾などされないという予測に基づくものとも解せる。例えば差別語「ブラック」に好意的な前田朗も、私の批判に反発し、その後無視しているのだが、黒人から批判されたらちょっと考えるとか発言しているから、参考になるだろう(※注2)。

 さて、上記で「日本には黒人はほとんどいない」と書いたが、実は私のように地方に住んでいても黒人をほぼ毎日見ている。というのはプロ野球をテレビ観戦していれば、黒人選手は珍しくないことに誰でも気づいているはずだ。もちろん外国選手の方が多いが、オコエ瑠偉 とかアドゥワ誠とかいわゆる「ハーフ」の日本選手もいる。肌の色の濃い「ハーフ」といえば、ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナ、ケンブリッジ飛鳥、サニブラウン・ハキーム、大坂なおみなどもすぐ思い出せるから、私の感覚では日本には黒人は沢山いる。よって私には「見える人間たち」が、差別語「ブラック」使用者には「見えない人間たち」になっている可能性が高いが、この構造こそが差別の本質なのだろう。

 もちろんプロ野球の黒人選手の存在を知りながらも、差別語「ブラック」を使っている人間はいる(※注3)。例えば筒井康隆問題の本質を何も分かっていない「「kojitakenの日記」のブログ主はスワローズのファンだが、記憶も曖昧だが、私は彼に多分こんな質問をしているはずだが・・・。「スワローズにもバレンティン、ミレッジがいるが・・・」。この質問を無視した彼もまたこんなことを言っている──「「実際に黒人の人に突っ込まれたら真剣に応答せざるを得まい。」というのはその通りでしょう。現実にそういうケースがあるかどうか、寡聞にして私は知りませんが、仮にそういうケースがあるのであれば、私も上記ブコメの意見を変えざるを得ません。」。

 かように日本における差別語「ブラック」の使用者の中には、私たちの批判は一切無視するが、もし黒人から異議申し立てを受けたら、差別語「ブラック」を使用をやめる可能性が多い人間が一定数いるから、差別語「ブラック」批判を行う黒人の出現を私は心待ちしている。

 ここで本題のプロ野球の黒人について書く前に、アリス・ウォーカーが黒い肌の濃淡について言及しているので以下に引用する。

★アリス・ウォーカー『母の庭をさがして』荒このみ訳、東京書籍、1992年

「女同士でいがみあうのはもうおしまい」

頁110──

 ・・・そのあと、あなたに「肌の色」について訊かれ、私は答えましたが、その答えが気になっています。肌の色の本当に黒い黒人女性が、浅黒い黒人女性に対してよく感じる敵愾心について、私たちが話し合ったのを覚えていますか。あなたはこう言いました。「私は浅黒い肌だけど、私の責任じゃあないわ。だから悪いとは思わないわ」

頁111──

 真黒と浅黒い肌の中間──まさに茶色──の私は、真黒い肌の黒人女性と連帯しなければいけない。そうしなければ、私たちの黒い母親の顔に、つばを吐きかけることになるわ、と言った自分の言葉が気になっています。黒い母親とは原始の母、エデンの楽園にいたイヴ、大女神、太母アフリカのことです。今ふり返って、白人のように見えるあなたのお母さんにお会いしたことを思い出しました。おばあさんの素敵な洋服をあなたは着ていたことがあったけれど、私に見せてくれた写真のおばあさんも白人のようでしたね。あなたからすると、肌の色によって黒人にされたからといって、真黒い黒人女性と連帯しなければならないというほうが馬鹿げていて、「肌の色」による差別主義者(カラリスト)に映るのでしょう。私はあなたの意見に同意しました。
 それでも考え直してみると、真黒い黒人女性と「黄褐色」の黒人女性の差は、「黄褐色」の黒人女性と白人女性の差ほどの開きがあるように思われます。真黒い肌の黒人女性が、黒人社会で憎まれている現実に、私は心を痛めます。真黒い肌の黒人女性こそ、私たちの根源的な母親であると私は思います──黒ければ黒いほど、私たちをあらわすのです──ですから、憎しみが向けられるのを見ると、人間としての私たちの未来にまったく絶望的になってしまうのです。
 皮肉なことですけれど、肌の色について私が理解を深めるようになったのは、自分の子供が混血だからです。娘は私よりずっと色が白く、髪の毛は私ほど縮れていませんから、娘の人生は──人種差別があり、肌の色が差別を意識させる社会で──はるかに楽でしょう。・・・

頁116──

 ・・・アフリカン・アメリカンはみんな、真黒い肌の黒人女性の子孫であることは疑いのない事実である。自分の祖先の黒人女性は、白人の奴隷所有者に傷つけられ侮られたというのに、その白人奴隷所有者の血をありがたくおしいただく人々の運命は、どんなものになるのだろう。奴隷の子孫でありながら、心の中では奴隷にされたアフリカの女性よりも白人の奴隷所有者をほめ讃えている人々の未来は、どんなものなのだろうか。黒い肌をよしとする振りをしながら、白人の血が一滴も入っていない労働者階級の、真黒な肌をした黒人女性をひそかに軽蔑している人々の行く末はどんなものだろう。
 ──トレリー・ジェファーズ「真黒い肌の黒人女性と黒人中産階級」(「ブラック・スカラー」誌)

 私はなが年、このジェファーズの文章について考えてきた。・・・

頁125──

 ・・・黒人指導者のほとんどが(マーカス・ガーヴェイだってそうだ!)白人に近い肌の女性を選んで妻にしているようだが、それは真黒い肌の黒人女性にとって、たび重なる失望と当惑の原因になっている。・・・

・・・最近の黒人指導者では、マルカムXだけが真黒い肌の女性を大っぴらに愛し、その女性と結婚して黒い女性の存在を認めようとした。黒人、とりわけ黒人女性がマルカムXを尊敬するのは、「公表された」政策ばかりでなく、この姿勢があるからだ。そして黒人指導者には稀なほど急進的で革命的なのも、この姿勢があるからだ。(引用終わり)


 この頃、プロ野球のジャイアンツにドミニカ出身のメレセデスとマルティネスが颯爽と登場してきたが、彼らの肌の色は濃い。ジャイアンツといえば、昔、長嶋茂雄が「巨人には黒人は似合わない」というような差別発言をしているが、時代は変わったのである。そういえば元本塁打王のゲレーロは今は干されているが、ある解説者はこんなようなことを言っていた──「キューバ出身者とは思えない」。キューバ出身者(例えばドラゴンズのビシエドとガルシア)はもっと肌の色が濃いという先入観があるのだろう。
 ドミニカ出身といえばカープにはバティスタがいる。彼のスイングスピードはスワローズのバレンティンを超えるようだから、一見の価値がある。

 かようにプロ野球では黒人選手が数多く活躍しているわけだが、差別語「ブラック」使用者で、プロ野球ファンの人々はどんな思いで彼らを見ているのだろう?この答えは私には分からない。だからこれについて誰かに発言してもらいたい。もちろん彼らは差別語「ブラック」を使うな!とは言ってはいない。しかし彼らは差別語「ブラック」が大氾濫する日本にいるのだ!
 

※注1:河添誠(2013年12月1日)──カナダのトロントで開かれたレストラン労働者の権利向上の国際会議で、日本の労働状況を話した時に「ブラック企業大賞」を私が紹介。移民の活動家から「いい運動だけど、ブラックじゃなくてホワイトだよね」と皮肉をこめて指摘された。アメリカなどでは、「ブラック」を否定的に使うことは許されない。

 
※注2: ◆ ガキ使『黒塗りメイク』炎上騒動の行く末は超表現規制社会(後編)https://jigensha.info/2018/01/29/hamada-2/
教授はこう付け加えた。「もし日本語を読める黒人の方がこの言葉(ブラック企業)を見て不愉快な思いをしたというならばその方とはきちんと話をしなくてはいけない」  


※注3:◆きまぐれな日々
東京都知事選、宇都宮健児氏は支持できない
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1327.html#comment17447

◆kojitakenの日記
「ブラック企業」は「差別用語」か
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20131230/1388398858

「実際に黒人の人に突っ込まれたら真剣に応答せざるを得まい。」というのはその通りでしょう。現実にそういうケースがあるかどうか、寡聞にして私は知りませんが、仮にそういうケースがあるのであれば、私も上記ブコメの意見を変えざるを得ません。


追記1:宮本エリアナ

◆「ハーフって何?」 ミス日本代表の経験を生かす
https://www.47news.jp/583962.html

・・・「髪はアフロ。肌の色も違う。顔もアジアっぽくない。小学校のプールの時間には『色が移るから入らないで』と言われたこともある」。母に相談すると「見たままじゃん。父親が黒人なのに白かったらどうすするの」と言われたという。麻美子が振り返る。「母子家庭で後ろ指をさされないように必死でした。あなたはママが欲しいものをすべて持っているとほめ、肌の色も全部個性だから、自分らしく生きていくようにと育てました」

◆宮本エリアナ「次は私も」似た境遇オコエらから勇気
[2015年8月28日15時59分 紙面から]
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1529421.html 
 

 ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナ(21)が、似た境遇の高校生アスリートに刺激を受け、世界NO・1を狙っている。父はアフリカ系米国人、母は日本人。「代表にふさわしくない」との批判もあった中、陸上のサニブラウン・ハキーム(16)、野球のオコエ瑠偉(18)に「勇気をもらった」と話した。キャロライン・ケネディ駐日米大使(57)からはエールを受けている。
 
 エリアナは、サニブラウンの世界陸上北京大会での活躍に歓喜していた。25日の男子200メートル予選、26日の準決勝ともニュース番組でチェックしていた。
 
 「素直にすごいなと思いました。刺激を受けたし、勇気をもらいました。7月にも彼が日の丸を背にして喜ぶ姿(陸上世界ユース選手権100メートル優勝で)を見て、ウワーッと思いました。野球の彼もすごいですよね。芸能界にも私と似た境遇の方々が活躍されていて、憧れられているし、とてもうれしいですね。もっと、そんな人が増えて、いろんなことが平等に見てもらえるといいですよね」
 
 3月12日、代表に選ばれた直後からエリアナへの批判が噴出した。ネット上には「日本人らしくない」「何でブラックが日本代表なんだ」の書き込みもあった。一方でCNN、ニューヨーク・タイムズ、BBCなど多くの海外メディアから取材され、存在は世界に知れた。国内外から「頑張って。応援している」の声が上がり、6月にはケネディ大使の希望で初対面した。
 
 「すごく優しい方でした。いろいろと聞いていただいて。これから一緒に何かをやっていけたらいいねと言われ、楽しみだなと」
 
 肌の色が違うことで、小学校で差別を受けた。「色がうつる」と言われたこともあった。その一端を話すと、大使はショックを受けながらも「力を合わせて変えていけたら」と言い、世界大会に向けてのエールを送ったという。会話は通訳も介したが、英語も駆使した。幼い頃に母と離婚した父の地元、アーカンソー州で高校時代を過ごして学んだ。
 
 「バレーボールで特待生の話もありましたが、断って渡米しました。入った学校にはいろんな民族がいて、私のように英語を話せない留学生もたくさん。親が黒人で似た感じの中国人や韓国人もいました。偏見も差別もないし、本当に楽しい期間でした。日本もそうなってほしいという願いはありますね」
 
 2年後に帰国し、福岡でモデルを始めた。知人からミス・ユニバース2014年への応募を勧められたが、「ハーフで代表になった人はいないし、出場しても無理」と断った。だが、今年は出場した。親しかった白人系ハーフの自死がきっかけだった。外見は外国人でも、英語が話せないことに悩んでいたと知っていたが、命を絶つほどだったとは気づけなかった。
 
 「こういう状況で自分にできることはないかと考えました。長崎の代表になれた時点で欲が出て、日本代表になった時の批判も予想していましたが、父は母よりショックを受けていました。私も悔しかった。ただ、批判がなければ注目されることはなかった。『憧れています』『ありがとう』のメッセージをもらい、今は勇気がわいています」
 
 世界大会の日程、開催地とも未定だが、注目度はかつての日本代表にはないほどに高く、テレビ、イベント出演などでも多忙だが、将来へのビジョンはある。
 
 「ビジネスをやりたいです。人種や人権の問題で何かできないかなと。あとバイクが好きなので、そっちの方面でも。モデルも続けたいし、発言力のある人にはなりたいです」
 
 だが、その夢へのスピード感も世界大会の結果で変わることを自覚している。
 
 「だから、出るからには上位、一番上を目指したいです。とても楽しみにしています」
 
 願いをかなえ、オコエ、サニブラウンに負けないくらい、日本を盛り上げるつもりだ。【柳田通斉】
 
 ◆宮本(みやもと)エリアナ 1994年(平6)5月12日、長崎・佐世保市生まれ。バレーボール歴8年で中学時代はセンターエース。しかし、身体能力については「あると思えない。ジムで走るのも苦手です」。特技はダンスと書道(5段)。173センチ、B87-W60-H87センチ。



☆追記2:肌の色の濃い女性の紹介~コウディア・ディオプ、ルピタ・ニョンゴ、ダッキー・ソット、ニャキム・ガトウェック~



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◆これぞ黒人の中の黒人! ハンパなく黒い漆黒の黒人モデル「メラニンの女王」が超話題

http://blackisbeautiful2013.blog.fc2.com/blog-entry-8366.html


 ・・・


 現在アフリカでは、黒人女性たちが自らの肌をできるだけ明るい色に「漂白」しようとする行為が跡を絶たず、社会問題となりつつあるのだという。ヨーロッパ的な美の基準に憧れ、それに少しでも近づきたいとホワイトニングクリームや手術などに手を出すケースが後を絶たないようだ。

 ある調査では、肌の色を何らかの手法によって明るくしようと試みているナイジェリア人女性が、実に75%にのぼることも明らかになったようだ。そしてこの割合は、トーゴの59%、南アフリカの35%と続き、アフリカ大陸全土では数百万人に及ぶとの試算もある。しかし、そのような行為に大きなリスクが伴うことは指摘するまでもない。各国の保健機関は対応に苦慮している現状にある。つまりTCGキャンペーンとは、まさにその行き過ぎた行為にメスを入れようとする啓蒙活動というわけだ。

・・・

「明るい肌の色ほど美しいという考え方は、間違っています。しかし、それを男性が助長しているという現状もある」
「暗い色の肌を持つ女性たちは、この無知と周囲からの圧力によって、自らの価値を高めるため肌色を明るくしようと試みています」
「コウディアさんをよく見て下さい。このように自信に満ち溢れ、自らの肌を受容している。危険な化学物質の入った製品を、メディアにそそのかされて使う必要はありません」

 ナイジェリアの首都アブジャにある国立病院で問題に取り組んできた皮膚科医は、アフリカの今を伝えるメディア「afrizap」のインタビューに対してこのように述べている。現在、コウディアさんのインスタグラムに寄せられるコメントは、「あなたはとても美しい」「メラニンがなせる魔法だ」など圧倒的に肯定的な意見ばかりが並ぶ。TCGキャンペーンのような活動を通して、この問題も少しずつ改善されていくかもしれない。


ライフスタイル

2017年07月10日 00時25分 JST | 更新 2018年02月28日 10時32分 JST

肌を白くしてみたいか? と尋ねられた黒人モデル、質問を一笑に付す 「どんな肌も美しい。私は自分が好き」

https://www.huffingtonpost.jp/2017/07/09/queen-of-dark-nyakim-gatwech_n_17447926.html


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