全国的に猛暑が続き、愛知県で17日に小学1年の男児が熱射病で死亡したほか、18日には宮城県で児童38人が熱中症の症状を訴えて病院に運ばれた。岐阜県ではこの日、最高気温が40度を突破。厳しい暑さから子どもたちを守るために、どうすればよいのか。▼1面参照

 死亡した男児(6)が通っていた豊田市の市立ログイン前の続き梅坪小学校。事故を受けて18日夜、保護者説明会が開かれた。事故が起きたのは17日午前。男児を含む1年生計112人は午前10時ごろ、毎年恒例の虫捕りの校外学習のため、約1キロ離れた和合公園へ歩き出した。学校によると、学校敷地内の気温は32度だった。

 途中で男児は「疲れた」と訴え、他の児童から遅れがちになったが、約20分の道のりを歩き続けた。

 公園は日陰が少なく、市内の気温は午前11時には33・4度まで上昇。最高35度以上が予想される「高温注意情報」が出されていることは学校も把握していた。だが「これまで校外学習で大きな問題は起きておらず、中止する判断はできなかった」(籔下〈やぶした〉隆校長)。

 公園で30分ほど虫捕りや遊具遊びをした後、学校に戻る途中、男児は再び「疲れた」と訴えた。担任の女性教諭は男児と手をつなぎ、午前11時半ごろ学校に戻った。教室にエアコンはなく、天井の扇風機4台を回した。学校が後に測ると室温は37度に上っていた。

 教室では担任が男児を見守っていたが、唇がみるみる紫色になり、午前11時50分ごろ意識を失った。まもなく病院に運ばれたが、午後0時56分に死亡が確認された。

 男児のほか、女児3人が不調を訴え、1人は午後になって嘔吐(おうと)した。

 籔下校長らは17日夜、男児宅を訪れ、母親と祖父に謝罪したという。

 文部科学省によると、全国の公立小中学校の教室で冷房があるのは41・7%。設置率には地域差があり、愛知県は27・8%だった。

 ■熱中症、児童38人搬送

 宮城県名取市の市立下増田小学校では18日、児童38人が熱中症の症状を訴え病院に搬送された。午前9時ごろから全校児童が校庭に集まり、市制60年を記念する人文字の空撮が行われていたという。全員快方に向かっているという。

 ■集団行動時、注意を

 日本スポーツ振興センターが把握する学校の管理下で熱中症で死亡した子どもは、1975年~2015年に167人。うち小学生は5人だった。

 子どもたちを酷暑から守るにはどうすればいいのか。熱中症に詳しい帝京大学病院高度救命救急センター長の三宅康史教授は、子どもは自由時間であれば、自分で水を浴びたり水分を補給したり自然と暑さ対策をするが、注意が必要なのは学校の集団行動だ、と指摘する。「熱中症は体調不良の人ほど発症する。大人や学校側が適切にコントロールする必要がある」

 中学1年だった長男を部活動中に熱中症で亡くした兵庫県宝塚市の元教員宮脇勝哉さん(60)は、「暑い日に校外に出る時は経口補水液などを用意する、首用のアイスベルトを持っていくなど、教員が取るべき行動を明示していく必要がある」と話す。また、高温注意情報が出た場合は、校外学習はしない、外で運動しないなど、具体的なルールを作るべきだ、と訴えた。

 ■記録的暑さ、続く見込み

 猛暑が続く要因は、晴天をもたらす高気圧が二つ重なっていることだ。太平洋高気圧が強まっているうえ、その上空には大陸側からチベット高気圧も張り出している。またここ数日は風が弱く、暖まった空気が地上付近で滞留し続けていることも一因だ。

 最高気温が35度以上の猛暑日となった観測地点は18日、5日連続で100を超え、記録的な暑さとなっている。関東甲信や東海、近畿などの一部地域では夜間の最低気温が25度を下回らない熱帯夜となっている。

 この暑さは東北から九州にかけ、7月いっぱい続く見込み。8、9両月も広い範囲で気温が平年より高く、雨が少ない傾向が予想されるといい、農作物へのダメージや、行楽地や物販への影響も出てきそうだ。