新聞、「読者の声」の不採用版~「ブラック企業」という呼び方について


 以下は信濃毎日新聞に投稿予定だった原稿だが、投稿しても多分掲載はされないので、ここに公開する(笑)。
・・・
 実は、この後投稿したが今のところ掲載されないので、多分“没”であろう(笑)。


▼「ブラック企業」という呼び方について

 今では米国の黒人に最も好まれる呼称の一つのブラックも公民権運動前には差別語であった。次期大統領トランプの就任式に出席拒否を宣言しているジョン・ルイス下院議員は、キング牧師が「ワシントン大行進」で「私には夢がある」という有名な演説をした時に、自らをブラックと呼んだ人物だ。「ブラック・イズ・ビューティフル(黒は美しい)」運動を経て、このように使われているブラックという誇らしい言葉を、日本の労働運動はといえば、あらゆる悪を含意して使い、搾取企業などを称して「ブラック企業」などと平気で使っている。
 日本以外ではまず通用しないこの言葉の使用法は、今のところなぜか識者からの異議申し立てはほぼ皆無で、有名な黒人の誰かの異議申し立てでもない限り、メディアは無視を決め込んでいるような状況だ。
 長野県に縁が深い藤原正彦は、PC(ポリティカル・コレクトネス 「差別と偏見のない表現運動」)に明確にノーという主旨の記事をある週刊誌に書いている。米国で起きたトランプ現象は差別を昂じさせる危機でもあるが、差別語を復活させる危機でもある。メディアは率先して「差別と偏見のない表現運動」に取り組むべきで、トンデモ和製英語「ブラック」を使った「ブラック企業」などの使用をやめるべきである。だって日本語には搾取企業という正しい言葉がちゃんとある。




▼[CML 046430] 新聞が「奇妙な果実」を持ち出すこととトンデモ和製英語「ブラック」を使うこと

2017年 1月 16日 (月) 10:29:00 JST

http://list.jca.apc.org/public/cml/2017-January/046535.html

檜原転石です。

『東京新聞』の「筆洗」に以下の記事が出た。

差別主義者のトランプ次期大統領を批判することは大事だが、『東京新聞』自体
がトンデモ和製英語「ブラック」(「ブラック企業」・「ブラックバイト」を使
い、無知ゆえに無自覚にもブラックにあらゆる悪を含意して読者に振りまき、ブ
ラックへの偏見を煽っているのだからお話にもならない。

▼筆洗

2017年1月16日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017011602000126.html



 <南部の木々には奇妙な果実がなる>。米ジャズ歌手、ビリー・ホリデーが
歌った「奇妙な果実」。「果実」とは白人からのリンチによって殺され、木に吊
(つる)された黒人の死体のこと。<奇妙な果実がポプラの木に揺れている>。
ホリデーの悲しみを搾り出すかのような沈うつな声が聞こえてくる▼作詞はユダ
ヤ人の教師だったルイス・アレン。当時、米国南部では珍しくなかった黒人リン
チ。その写真を目の当たりにして暴力と不公正に憤り、その歌詞を書いた▼リン
チや暴力という直接的な言葉は一切、出てこない。南部の風に揺れ、カラスにつ
いばまれる「果実」をたんたんと書いた詞はかえって差別やそれを行う人間の醜
さと恐ろしさを強く印象付ける。ホリデーの録音は一九三九年だが、詞を書いた
のは、三七年のことというから、今年で八十年である▼八十年後のその曲をめぐ
る最近の話題である。現地二十日に行われるトランプ次期大統領の就任式への出
演を要請された英国歌手レベッカ・ファーガソンさんがこんな条件を出したそう
である。「奇妙な果実」を歌わせてくれるなら▼人種対立を煽(あお)って憚
(はばか)らぬ次期大統領の好みの曲ではなかったか。結局、出演は消えた▼
「歌うたびに悲しいが、歌い続けなければならぬ曲」とホリデーは言ったが、聞
き続けなければならない曲であり、祈りでもあろう。特に米国大統領は。

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