“言葉狩り”という言葉は筒井康隆問題の時に

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“言葉狩り”という言葉は筒井康隆問題の時に否定的意味合いで流布しましたが、筒井康隆問題の本質は彼のてんかんへの度しがたき無知です。それに居直ったモノカキがわめき散らしただけです。断筆祭では清水ミチコが「てんかん踊り」までやっています。馬鹿が騒いだだけだと記憶すべきです。

人間の進歩によって差別語は新たに発見されていきます。黒に悪を含意する言葉の非科学は当然検証されるべき問題です。

次に、言葉狩り(よって新たな適切な言葉を生み出す)がなぜ大切かを、病名の変更を例に見ておきます。

▼田中克彦『差別語からはいる言語学入門』明石書房、2001年

頁18――

 差別語をめぐる議論にあきあきし、それが不毛だと感じた人たちの口からよく聞かれる意見の一つに、ことばだけとりかえてみても、そのことばが指している現実や事態が変わるわけではないというのがある。
 それは大部分その通りだが、そうではない点もある。というのは、ことばは現実のみならず、人々の意識、精神世界の領域のできごとを描き出そうとする。このことを否定する人はまずいないであろう。この本はまさにその問題ととりくんでみたものであるが、いま身近な例として、病気を指す名のことを考えてみよう。
 病名は、単にある病気を客観的に示すだけでなく、そこには多くの偏見がくっついている。ところが病気は医学の発達によって、それとたたかい、なおす方法が次々に開発されてくる。それによって病気への認識が変わってくれば、より適切な言いかたに変える必要が生まれるだろう。
 こうしてとりかえられたことばが指す病気そのものは依然同じであっても、そこにはより客観的で偏見がなく、そして病気で苦しむ人々に絶望ではなく希望を与えるはたらきがあるとするならば、私たちはもちろん、そのようなニュアンスを持ったことばにとりかえる必要がある。
 このように考えると、ことばのたたかいは、観点――ものの見方のたたかいでもある。
(引用終わり)

 例えば「精神分裂病→統合失調症」という病名の変更は、上記の田中克彦の指摘そのものである。差別語、嘲笑語、侮蔑語としての「精神分裂病」は言葉狩りされたのである。

 かような考察で“適当な言葉”を生み出すには多少とも知性が必要なことも理解されたと思う。科学的知識がなければ病名など命名できないのである。


Posted by 檜原転石 at 2014年09月04日 07:11
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