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トンデモ和製英語「ブラック」使用例――『朝日新聞』社説(2013/12/19)

▼ブラック企業―根絶のために行動を
2013/12/19(木) 午前 11:47

『週刊金曜日』でさえトンデモ和製英語「ブラック」を使うだから、本多勝一のアメリカ取材の記事を載せた朝日新聞が使っても不思議ではない。もちろん「黒は美しい」が燦然としている『アメリカ合州国』も朝日文庫である。がしかし、こんな言葉が定着すると日本の恥なので、私はとことん言葉狩りをつづけるつもりだ。

▼ブラック企業―根絶のために行動を
2013年12月19日(木)付
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 ひどい働き方をさせられていると思ったら、役所に相談するなど行動を起こそう。社会の側はそれを受け止め、企業に是正させる仕組みを整える。この二つをかみあわせ、ブラック企業を根絶していきたい。

 過労やパワハラで社員が精神障害になった事業所で、その後も月80時間超の残業が続く。ある会社は、残業代が支払われない「管理職」が社員の7割を占め、うち半分は20代……。

 「若者の使い捨てが疑われる企業」への対策として、厚生労働省が実施した調査からは、すさまじい実態が伝わる。

 対象になった5111事業所のうち82%で、違法残業や賃金不払いなどの労働法令違反が見つかった。

 こんな風に思う人がいるかもしれない。「若いときには、がむしゃらに働いて当たり前。オレもそうだった」と。

 確かに、これまでも長時間労働や過剰なノルマはあったし、労働法令がいつも守られていたわけではない。

 それ自体、問題ではあるが、そこには「メンバーシップ型」と呼ばれる日本独特の雇用システムもあった。会社はいったんメンバーになった正社員に厳しい要求をするかわりに、育成の機会と雇用の安定を保障するのが前提だった。

 ブラック企業には、この前提がない。体力と気力のあるうちは徹底的に働かせ、心身をこわしたりして「能力不足」と判断したら、退職に追い込む。まさに使い捨てだ。

 どう対応するか。

 今回の調査はハローワークへの相談電話や投書など、労働者の行動が手がかりになった。

 働く側が労働時間や賃金、採用・解雇について、労働法の基礎を身につけておくことが肝要だ。それがないと、会社の言いなりになってしまう。学校も、就職率を競うだけでなく、学生・生徒に命と健康を守る手立てを伝えてほしい。

 ただ、行動を起こしても、それを受け止める枠組みがなければ孤立するだけだ。

 労働者の不満の受け皿であるはずの労働組合の組織率は今年17・7%まで落ち込んだ。ブラック化しやすい新興企業では、組合がないのが普通だ。

 個人でも加入できるユニオン、労働相談を受けるNPOや弁護士、そしてなにより、労働行政の奮起にかかる。

 事後的な摘発はもちろんのこと、「使い捨て」の判断材料のひとつである離職率の調査・公表など、あらゆる取り組みを強化すべきだ。

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