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共犯者の自白に関する注意則

2013/11/28(木) 午後 6:36

無実の人間を引き込んで犯人した事件として「八海事件(山口県熊毛郡麻郷村八海で1951年に起きた夫婦強盗殺人事件)」が有名だ。映画『真昼の暗黒』も昔見た覚えがある。
 1968年に引き込まれた4人の無実が確定し、以下は1971年に仮出所となった吉岡についての記事である。

▼八海事件の真相は=真犯人は出所後にウソを告白した(上)
http://maesaka-toshiyuki.com/detail?id=372
・・・
 原田弁護士が初めて吉岡に接触したのは昭和二九年、第一次最高裁へ上告中のことである。阿藤の弁護を引き受けた原田は思い切って、吉岡を広島刑務所に訪ねた。

阿藤らを引き込み、死刑を逃れた冷血漢の吉岡―彼こそが、八海事件をドロ沼の長期裁判に持ち込んだ張本人であった。しかしそれに反して、原田が八海事件は冤罪であると確信するにいたった契機も吉岡であった。時々、思い起こしたように真実の告白をしていたからである。

▼八海事件の真相は=真犯人は出所後に誤判を証明した(下)
http://maesaka-toshiyuki.com/top/detail/373
「私の嘘で大変御迷惑をかけました。阿藤君らにおわびしたいのですが……」

 吉岡のまなざしは真剣だった。原田弁護士に異存のあろうはずはない。吉岡が自発的に阿藤や他の被告に謝罪すれば、灰色に塗り込められた事件は完全な冤罪であったことが証明される。佐々木哲蔵弁護士らに連絡を取ろうと原田は決意した。
 原田はまず、親しくしている中国放送の記者に吉岡の仮出所を知らせた。阿藤と吉岡の対面を録画して、全国に放送してもらおうと考えたのである。

・・・

****

 吉岡(加えて警察などに)に主犯として事件に引き込まれ、3度の死刑判決を受けた阿藤周平さんは言う―─「1人でも無実の可能性がある人を処刑するくらいなら、有罪の人間が死刑を免れてもいい。どうしてそう考えられないんでしょうか」(『冤罪File』No.05)。

 さて米国などが採用している“司法取引”でも当然引き込み証言などがなされる。また以前紹介したカナダの基準では、「密告者の証言は信頼できないという前提で、検事は陪審員に証言が提示される前に、裁判長に聞くに値するかどうか実証せよ」とかいう規定があるようだが、日本においては「密告者の証言」を「共犯者の供述」に変えて適用されてもいいだろう。

 実は日本でも共犯者の自白に関する注意則を設けよと主張する弁護士(元裁判官)もいるようで、以下にそれを引用する。

▼秋山賢三『裁判官はなぜ誤るのか』岩波新書、2002年

頁167――

共犯者の自白に関する注意則
 下村幸雄元裁判官(現弁護士)は、『共犯者の自白』の中で、共犯者の自白に関する事実認定上の準則と留意点について論じ、①巻き込み型、②デッチ上げ型、③誇張型の3種の型を区別した上で、これを証拠として採用する場合の厳しい限定を付している。すなわち、任意性、特信性(公判における供述よりも捜査官の面前で述べた調書の方が特に信用できるような情況的保障があること)のない共犯者の自白には証拠能力のないこと、共犯者の自白には補強証拠が必要であること、しかも補強証拠は被告人と犯罪との結びつきを証明する限りで必要であること、2名以上の共犯者の自白は相互に補強しないこと、共犯者の自白は被告人本人の自白の補強証拠にはならないこと、などである。それらの提言は、「法律上の準則」にまで高めて裁判官の自由心証を規制すべきであると主張されている。

******

 この基準を当てはめたら、「埼玉愛犬家連続殺人事件」の裁判がどうなっていたかは明白だろう。
 同書にも誤判を防ぐ10戒の一つ「供述証拠を安易に信用せず、その誤謬可能性を洞察する」の中で[自らも訴追されている共犯証言については、彼らが自己の利益を図るために検察官に迎合し、しばしば、「巻き込み証言「引き込み証言」をし、それが重大な冤罪をもたらした例として、前にも触れた八海事件がある。]と述べている。

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