天皇発言を渇望する脱原発運動の市民は東京の場合にはどうしていた?

 御主人様の奴隷解放宣言から黒人が実質的な選挙権を行使できたのに要した時間が100年以上、黒人自身の公民権運動がなければ何も変わらなかった可能性がある。かような歴史からは何も学ばず、天皇の「お声」で世の中が変わると妄想する脱原発運動の奴隷市民の群れに聞いてみたいのは、では天皇の「お声」があった東京の君が代強制問題の時に、あなた方はいったい何をしていたのか?という疑問である。辺見庸によれば――【天皇はかつて秋の園遊会で、将棋の米長邦雄・元名人に対し「(教育現場で「日の丸・君が代」が)強制になるというようなことでないほうが望ましい」と発言しています。この問題では神奈川県教育委員会など押しつけや強制、詭弁をなんとも思わない各地の教育委員会より、天皇のほうが常識的で、開明的、進歩的です。】というわけなのであるから、多分「強制はダメである」と言ったわけだ。ところがどっこい、良いか悪いかかを問わねば、この発言をほとんど全ての人間が無視したわけだ。もちろん左翼の側も天皇がこう言っているから東京都は強制をやめろとは絶対言えない。『サンケイ新聞』は天皇発言そのものを無視した。もちろんそれ以後、君が代強制のみならず、「閉経した女性が生きていることは罪であり無駄である」とうそぶいた石原慎太郎を支持し続けた東京ネズミ都民も天皇発言など無視したのである。かような歴史があるのに、なぜ今回の山本太郎の愚劣な行為を支持するのか私には分からない。要するに政治屋も奴隷市民も自らに都合の悪い発言は、たとえ天皇発言でも無視するし、天皇が自らに都合の良い発言したときに天皇を担いで持ち上げるだけなのである。もちろん奴隷市民は天皇が原発再稼働賛成と発言する可能性を完全排除する。あくまでも脳天気なのである。

 ヒロヒトが沖縄を売った発言を批判する人間は皇室をほめることなど決してしない。よってアキヒトをほめた辺見庸は間抜けなのだが、アキヒトが言いたかったのは多分、「半強制はいいが、完全強制はダメだ」というものだろう。日の丸・君が代が戦後生きのびた愚劣は問わずに、戦前の惰性でつづいた日の丸・君が代の半強制で育った若者が「自発的」に日の丸を掲げて競技場を走るのを良しとするなら、支配者として「管理を感じさせない管理が最高の管理である」と言いたかったかもしれないのである。もちろん「強制はダメ」は小渕も野中も言っていたから、別にアキヒトだけをほめる筋合いはない。もちろん彼らは東京の君が代強制に何の反撃もしなかった(注:小渕は程なく死去したので無理だが、生きていても何もしなかったのは明白だ)。

 坂口安吾『続堕落論』――【・・・我等国民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか。竹槍をしごいて戦車に立ちむかい、土人形の如くにバタバタ死ぬのが厭でたまらなかったのではないか。戦争の終ることを最も切に欲していた。そのくせ、それが言えないのだ。そして大義名分と云い、又、天皇の命令という。忍びがたきを忍ぶという。何というカラクリだろう。惨(みじ)めとも又なさけない歴史的大欺瞞(ぎまん)ではないか。しかも我等はその欺瞞を知らぬ。天皇の停戦命令がなければ、実際戦車に体当りをし、厭々ながら勇壮に土人形となってバタバタ死んだのだ。最も天皇を冒涜する軍人が天皇を崇拝するが如くに、我々国民はさのみ天皇を崇拝しないが、天皇を利用することには狎(な)れており、その自らの狡猾さ、大義名分というずるい看板をさとらずに、天皇の尊厳の御利益を謳歌している。何たるカラクリ、又、狡猾さであろうか。我々はこの歴史的カラクリに憑(つ)かれ、そして、人間の、人性の、正しい姿を失ったのである。・・・】

 私は「人間を軽蔑する人間が天皇を持ち上げる」と主張するが、天皇にすがる奴隷市民が脱原発運動で成果を上げるとも思えないし、迫り来る企業独裁の時代に反抗できるはずもない。目的は正しくても手段を間違えれば目的自体がかすんでしまう。山本太郎の行動で日本低国の脱原発運動が屁のようなものだと露呈したわけだが、ほとんどの国民が馬鹿な右翼なのであるから、当然の結果でもある。奴隷根性で御主人様の善意にすがっているような人間が社会を変えられるわけがない。私たちは強欲企業が貧乏人を騙してヒバクシャとして使い捨ててはじめて核産業が成立しうるという事実から目を背けていけない。核産業が6500万人を殺した事実に目を背けてはならない。私たちは個々の力を結集させて核産業を叩きつぶさなければならない。核産業を含む強欲企業を支えるのは強欲な少数の人間である。その少数のなかの少数のお仲間がヨーロッパ王族である。その仲間には天皇も含まれるのはニューズを見ていれば分かるはずだ。悲壮な顔してのお笑い行動などクソ食らえだ。私たちは人間なのだ。強欲なサルではない!



 

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

檜原転石

Author:檜原転石
FC2ブログへようこそ!

世の中は無名の一人でも変えられる

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR