難病助成見直し 病名での線引きは酷だ

難病助成見直し 病名での線引きは酷だ
2013年11月5日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110502000142.html
 国の難病対策の見直し案がまとまった。医療費助成の対象疾患を大幅に増やし、患者の自己負担額などを変える。だが病名で区切る発想を続けたままでは実態に合った支援から遠のくのではないか。

 厚生労働省が省内の専門家委員会に対し、今回示した見直し案の要点はこうだ。

 医療費助成の対象となる病気を今の五十六から約三百へと大幅に増やすが、重症患者らに絞る。

 患者の自己負担割合を今の三割から二割に減らす。一方で年収に応じ、六段階に分けて月額三千~四万四千四百円を上限に負担を求める、などである。

 来年の通常国会で新法をつくり二〇一五年の施行を目指す。

 新制度になれば、助成の対象者は現在の約七十八万人から百万人超に増える見通しだ。

 突然強い疲労感に襲われ、ふつうの生活ができなくなる筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)の会は、開会中の臨時国会に請願を出す。一度も行われていない重症患者の実態調査や診断基準の確立などを求めるためだ。 この病気は助成指定外で、福祉サービスを受けられる障害者総合支援法も適用されていない。岐阜県可児市の塚本明里(あかり)さん(23)が発症したのは高校二年の春。痛みを抑えるため、全身約四十カ所の注射を打ちに週の大半を病院通いに費やしている。そんな中でも前向きに請願の署名集めに努めた。

 助成の拡大が、支援からこぼれ落ちていた“谷間”の患者らに光を当て、勇気づけるのは確かだ。

 だが今回の見直しでは「明」より「暗」の側面が浮かび上がったように思われてならない。

 無料だった重症患者(約八万一千人)が相応の負担を強いられることになる。軽症者は助成を打ち切られる。助成の目安は「患者数が人口の0・1%程度以下」と絞り込まれ、パーキンソン病(患者約十一万六千五百人)や潰瘍性大腸炎(約十三万三千五百人)などの患者は対象から外される不安を募らせていると聞く。

 五千~七千種といわれる難病。病名で線引きして支援する方法は曲がり角に来ているのだ。

 厚労省は財源難を盾に、患者の自助や制度の公平性を強調する。だが患者らは、もう十分に自助を尽くしている。その上に自己負担を求めるのは酷ではないか。

 誰でも発症しうるのが難病だ。「社会全体で患者を支える」という委員会の崇高な提言。その基本に戻った発想を生かしてほしい。

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