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本多勝一の「黒は美しい」と今時の『週刊金曜日』・・・②

 トンデモ和製英語「ブラック」の氾濫は、日本低国の良識派の知的程度を露呈して恥ずかしい限りだが、そのなかでも『週刊金曜日』は編集委員に本多勝一を擁するだけに事態は深刻かつ滑稽である。いうまでもなく本多勝一は反英語帝国主義者であり、過去には黒人と同行して合州国で取材した記事を集めた書籍『アメリカ合州国』もあるのだ。

 そこで今回は言葉の差別構造に極めて敏感であったマルコムXについて書いた荒このみの記事で、“言葉とのたたかい”の基本をおさらいしておこう。

▼荒このみ『マルコムX――人権への闘い』岩波新書、2009年

頁128――
「いわゆるニグロ(so-called Negroes)」――決まり文句その1

 「アメリカの黒人」を指示する言葉は、時代とともに変化してきた。マルコムXの時代の1950年代から60年代前半に、かれらは「ニグロ」と呼ばれ、70年代の初めになるとアフロ・アメリカンに変わり、今日ではハイフン抜きのアフリカン・アメリカンが一般に普及している。この変化は何をあらわしているのか。
 だれもが「ニグロ」と呼ばれて疑問を抱かなかった時代に、マルコムXはそれを問題にした。そこにマルコムXの感覚の鋭さがある。マルコムXが活動を始めた1950年代、「ニグロ」は中立的表現であり、「ブラック」や「ニガー」が差別辞とみなされていた。「ニガー」は今でももちろん差別辞だが、かれら「アメリカの黒人」同士では自由に使いあっている。当時、「ブラック」と言われれば、子供たちの間ではつかみあいの喧嘩になったという。ところが「ブラック」のみならず「ニグロ」でさえ、決して中立的表現ではないことをマルコムXは果敢に指摘した。
 マルコムXはその10数年の活動の間、最初から最後まで「ニグロ」という言葉を使うときには、かならず「いわゆる」と入れている。「いわゆるニグロ(so-called Negroes)」と呼ばれているわれわれ、という表現を崩すことはなかった。この簡単に見える挿入句が、前述のように「ニグロ=ネクロ=死体」、そして「アメリカの黒人」を沈黙させ、無化してきたアメリカ社会の差別の構造を暗示していることをマルコムXは鋭く嗅ぎ取っていた。自分たちが積極的に生んだ表現ではなく、白人が勝手に造り出した名称であり、白人によって意図的に誤用されていることを指摘し、「いわゆる」を挿入した。執拗に「いわゆるニグロ」と繰り返すマルコムXの姿勢に、呼称にすぎない、些細なこと、と見逃されがちな表現だが、そこにこそ本質的な問題が潜んでいる、と皆に注意を促す強い意思がうかがえる。
 「ニグロ」は、その崩れた形の「ニガー」という蔑称を生み出し、指示された人々に劣等感を植えつけた。マルコムXは、一般の黒人に自分たちの呼称の重要性を認識せよと教えた。呼称が無意識のうちに劣等感を呼び起こし、自己の存在証明を失わせるからである。
 マルコムXは、言語の差別構造を批判し、それを正そうとした。今日のアメリカ社会では、PC(政治的に正しい、すなわち社会的に正しい)という表現で、言語の差別構造に対して敏感になっているが、マルコムXははるか以前に、言語の暴力性に気づいていた。

******

 米国の人種・民族の自称についての国勢調査(1995年)で、黒人の場合は、混血も含め、単純に「アフリカ系」でない者も含まれて、一番好まれている呼称は「ブラック(黒人)」(44.15%)だったという事実は(ちなみに「アフリカ 系アメリカ人(African American)」 28.07%、「アフロ=アメリカン(Afro-American)」12.12%である。)、ブラックが差別語であったという歴史、その白人英語の押しつけられた価値を逆転させた「ブラック・イズ・ビューティフル(黒は美しい)」運動を知らなければ真に理解できないだろう。

 「言葉のたたかいはものの見方のたたかい」であるから、当然トンデモ和製英語「ブラック」などを使っていれば、マンデラの死去に対しても口をつぐむしかないし、いや厚顔無恥にも発言したとしても、どこか居心地悪いものになるだろう。私は黒いパジャマを着て寝るし、黒のジャージを羽織って仕事することもある。もちろん黒い靴下はしょっちゅうはく。どうして黒に悪を含意して使う必要があるのか分からない。そういえばゲームの世界では囲碁も連珠もオセロも黒が先手で差すのであるが(笑)。

 さてここで今時の『週刊金曜日』を見るために、以下に『週刊金曜日』のトンデモ和製英語「ブラック」の使用履歴を見てみる。もちろん私は『週刊金曜日』の購読をテロ国家イスラエルの支持者・佐藤優の重用以来止めているので、全体をくまなく把握しているわけではない。


▼週刊金曜日 963号
http://www.fujisan.co.jp/product/5723/b/994473/

ブラック国家ニッポン
金持ち優遇の「ブラック税制」 (武田知弘)
解雇特区の狙いは、日本全体の「ブラック企業」化です (河添 誠)

▼週刊金曜日 970号
http://www.fujisan.co.jp/product/5723/b/1021883/

就活のためのブラック企業対策講座

■就活のためのブラック企業対策講座
今まで誰も教えてくれなかった就活のしくみ
違法、脱法の手口で過酷な働き方を強いて若者を使い捨てにする、いわゆる「ブラック企業」が増えている。厚生労働省が9月に初めて実施した「使い捨て」企業相談の結果、賃金不払い、長時間労働、パワハラ(パワーハラスメント)の順に1000件超の相談があり、4000社超の企業への監督・指導に至ったという。まさに就活も歩けばブラック企業に当たる。そこで、12月1日の大学3年生向け「会社説明会解禁」を前に、誌上で就活のためのブラック企業対策講座を開講する。



●就活サイトに騙されるな!
谷村 智康

◆「11時間休息保障」で日本は変わる!?
共産党の「ブラック企業規制法案」は活用できるのか
片岡 伸行


●労働者に泣き寝入りはさせない!
被害対策弁護団の取り組み
内原 英聡


●危ない企業の見分け方

「入ってみたら話が違った」――
そうならないためには事前の準備が必要だ。
企業を見分けるためにはいくつかのポイントがある。
ブラック企業対策プロジェクトが公開する
「ブラック企業の見分け方」をもとに作成した。
ここで具体的にチェックしていこう。


●ブラック企業対策はなぜ国家的問題なのか
POSSE代表 今野晴貴さんインタビュー

今やドラマ、日常会話などあらゆる場面で耳にするようになった「ブラック企業」。しかし、その問題の本質や実態は十分に理解されていない。「ブラック企業」という名の育ての親とも言える今野晴貴さんに、平井康嗣・本誌編集長が話を聞いた。

 



▼週刊金曜日 972号
http://www.fujisan.co.jp/product/5723/b/1021885/#conetnts_area
常勤講師を5年で雇止め?
ブラック化する早稲田大学                     (入江公康)

****

 で、『週刊金曜日』のこの事態の中で、本多勝一はどんな記事を書いているかというと・・・、「最新号詳細」では、映画を見た感想を書いている。

▼最新号詳細
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php

非常勤講師を5年で雇止め? ブラック化する早稲田大学 入江公康 28

風速計
『ハンナ・アーレント』を見て
本多勝一 13

******

 本多勝一は多分『週刊金曜日』の記事をまったく読んでいないのだろう。そうでなければ、トンデモ和製英語「ブラック」を多用する『週刊金曜日』の今の事態を説明つかない。もっともイスラエル・ボイコットを呼びかけながら佐藤優を重用するという離れ業をできる『週刊金曜日』だから、本多勝一の昔の仕事などクソ食らえ、赤旗並みに時流に乗って馬鹿者言葉(トンデモ和製英語「ブラック」)を使っているだけかもしれない。この事態はまるで「江川紹子症候群(死刑を早く執行せよとテレビで叫びながら死刑案件の名張毒ぶどう酒事件を取材するモノカキ)」と呼ぶべきだろう。右手がやっていることと左手のやっていることが違う人物を見て、私はその人物を見て信用など絶対しないが、世の中が馬鹿な右翼の人間ばかりなったから、本質的な矛盾も見逃されているというのがこの現実なのだろう。

 で、『週刊金曜日』のちょっと前(今が2013/12/19、8:37)のツイートでは以下のように本多勝一の著作が頻繁に引用される。

▼週刊金曜日
@syukan_kinyobi
https://twitter.com/syukan_kinyobi

週刊金曜日 ‏@syukan_kinyobi 読者を怒らせたいとき、泣かせたいとき、感動させたいときも「笑い」と同様である。筆者自身のペンが怒ってはならず、泣いてはならず、感動してはならない。『日本語の作文技術』本多勝一

週刊金曜日 ‏@syukan_kinyobi 公害だの目的への疑問だのを理由とする反対運動それ自体はいいことだが、核心をつかずに敵の土俵ばかりでやっても効果は薄いだろう。「核心」とは、結局は「カネモウケが目的の建設省役人」であることをズバリと、なるべく名ざしで個人攻撃として指摘することである。『貧困なる精神W集』本多勝一

*****

 というわけだから、私が本多勝一を引用して、トンデモ和製英語「ブラック」を多用する『週刊金曜日』の本質的矛盾を露呈させよう。

▼本多勝一『アメリカ合州国』朝日文庫、1981年

南部の旅

「黒人国」めぐり

頁146――

 翌朝、ここの黒人居住区(引用者注:ミシシッピ州クレイ郡)にあるcommunity Development Organization を見に行った。このクレイ郡の黒人たちがやっている共同作業の組織体である。事務所には昨夜会った娘たちが勤めていて、私を見るとまた笑いをこらえた(引用者注:前日、本多が娘たちの会話の中の言葉「ブラックプッシー」の意味を聞いたため)。事務所の一室に次ページのような張り紙がある。

(引用者:その張り紙の文面が以下――)

黒はよごれている
黒は汚い
黒は邪悪だ
黒はよこしまだ
黒は恥辱
黒は悲しみ
黒は陰気
黒は怒り
そして黒は白の反対

ウェーブスター辞書は嘘だ!

*****

 私は津田幸男の著作をたびたび引用しているので、「ウェーブスター辞書は嘘だ!」の意味は容易に理解できるだろう。言葉の差別構造に真っ向から戦う黒人の運動を真正面から賛意を込めて取り上げた本多勝一の同書には、「黒は美しい」という表題の記事もある。これはまた次回に取り上げるとする。

 今のままでは、本多勝一の「黒は美しい」はトンデモ和製英語「ブラック」を多用するシロアリの巣窟の『週刊金曜日』とともに崩れ去る運命にある。

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