チェルノブイリ事故の時に使われていた「放射能恐怖症」という言葉

 日本では「放射脳」という言葉は「放射線恐怖症(放射能恐怖症)」という意味あいで一部の馬鹿の間で使われているようだが、「放射能恐怖症」については、昔の書籍に以下の記述があった。やはり原発マフィアが大好きな言葉らしい。

 昔(数年前かもしれないが・・・)読んだ本はたいがい大方忘れているもので、引っ張り出してきては記憶を確かめている。しかしまあ不思議なことに原発マフィアの側は同じ手口を使うものである。

 してみると「放射脳」という言葉は、ネット右翼の馬鹿が考えたであろうという私の推理は外れている可能性もあるのだが、その紛らわしさの最悪さを考慮すれば、やはり馬鹿の仕業だと思う。もちろん言うまでもなく、放射線に鈍感なのはただの馬鹿である。人間が放射線恐怖症の人ばかりなら、とっくに核産業はつぶれていた。



▼広河隆一『チェルノブイリから広島へ』(岩波ジュニア新書、1995年)

頁74――

 ナロブリャ地区中央病院のニコンチュークさんに聞きました。
 「広島の悲劇を他の核事故とくらべることは、とても難しいんです。重松氏は広島の経験をもっていましたが、他の事故の経験がなかったのです。だから昔の経験に照らしたのだと思います。
 IAEAの調査で広島から来た日本人の有名な医学者も、ホイニキ市に来て演説していました。私は演説の録音をしました。彼は、生活はだいじょうぶ、将来も心配ないと言っていました。そして病気は、放射能に対する恐怖症から起こる心理的なものだと言いました」
 「あなたはその日本人の演説を聞いたとき、どう思いました?」
 「全然知識をもっていなかったから、信じてしまいました。でもそれはまったくまちがっていました。それでIAEAの調査は信用できないと判断し、私たちは独立した調査委員会を作ったのです」


頁95――
 
 私がはじめてナロヂチ地区の被災地を取材したときも、ロマネンコ氏はその地域の汚染状況をひたすら隠していました。
 彼は事故当時、ウクライナ保険大臣で、事故隠しをした当事者です。その後も被害はないと言いつづけました。彼は『チェルノブイリ極秘』の中では、次のように書かれています。
 「ロマネンコ・ウクライナ保健相は、そこ(ナロヂチ地区)で暮らしている私たちに対して、そこはスイスの保養地なみだ、などと言っています」

・・・

 「掌中に法を握っている人びとが、学者たちが、指導者たちのことが、私は涙が出るほど腹立たしい、狡猾さや嘘が腹立たしい。
 私たちは病気だと言われている。地区の人びとは全部、同じ病気にかかっているのだ。病名は放射能恐怖症。年齢も、体の発達も、性格も、じつにさまざまなのに、私たちはみな一人残らず、どうして病気だけは同じなのか。そうじゃない、尊敬する同志ロマネンコとスピジェンコよ、われわれは放射能恐怖症に苦しんでいるのではなく、チェルノブイリの災厄に苦しんでいる。だが、チェルノブイリ災厄が私たちにもたらしたすべてのことを、この三年間いつも私たちに隠してきたあなたや、あなたと同じような人たちは、人びとの信頼を失った。信頼を失った人間に何の価値があるのか」
 「村へやって来た医者たちが帰ったあと、片づけをしたら、残されていたのはプロテクターつきの瓶だった。彼らはミネラルウォーターで手を洗い、缶詰を食べていた。ウクライナ共和国保健省全部と大臣のロマネンコは、私たちのところへ引っ越してくるがいい。そして私たちと同じような暮らしをするといい」


▼広河隆一『チェルノブイリ報告』(岩波新書、1991年)

頁188――

放射能恐怖症?

 1989年、90年、91年の取材で、はっきりと変化を感じたことが一つある。
 あれほど多くの医者や政府関係者が言っていた「放射能恐怖症」という言葉が次第に聞かれなくなったことである。放射能恐怖症というのは、すべての病気を、放射能のせいにしたり、放射能が恐ろしいあまり、気のせいで病気になってしまうことを言う。政府側や医者たちは、住民の病気の報告を根も葉もないものだと打ち消すときに、ひんぱんにこの言葉を用いた。しかしその後当局側も、事態の恐ろしい広がりを、少しずつ認めざるをえなくなってきた。人々が息を潜めて、なすすべなく、ことのなりゆきを見ているという状態のなかで、少しずつこの言葉が意味を失っているのかも知れない。

▼放射線恐怖症の人ばかりなら核産業はつぶれている
http://blogs.yahoo.co.jp/henatyokokakumei/38517448.html

▼放射線を怖がるのは知性である
http://blogs.yahoo.co.jp/henatyokokakumei/38516669.html

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