確率論~虐待されていた女性が殺害された場合には、誰を犯人として疑うのか?

 O・J・シンプソン事件で私が連想するのはテロ国家アメリカのプルトニウム人体実験だが、この事件のおかげで、プルトニウム人体実験は人びとの記憶から消え失せた(手品でいう誤誘導、右手に客の視線を向けさせ、左手でやっていることかくす)。
 だがいくら日本ではそう興味ない事件でも、裁判の実態ぐらいは知っていた方がいいだろう。よって題名通りの話題で、事件を取り上げる。

 確率論といえば事後確率の例題で有名な「モンティー・ホール問題」がある。NHK番組の「ためしてガッテン!」でも取り上げられていた。あらゆる事例を検証すれば簡単な問題だが、直感がそれを邪魔する。

 事前確率と事後確率についてはウィキペディアから以下を引用する――

▼事後確率
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8B%E5%BE%8C%E7%A2%BA%E7%8E%87#.E4.BA.8B.E5.89.8D.E7.A2.BA.E7.8E.87.E3.81.A8.E4.BA.8B.E5.BE.8C.E7.A2.BA.E7.8E.87 サイコロを使う例

Aさんがサイコロを2回振って出た目を記録する。その結果を知らないBさんに「どちらかで2の目が出た確率は?」と聞く。答えは(サイコロが完全にランダムとすれば)11/36となる。これが事前確率である。

次にAさんは「出た目の和は6だった」というヒント(新たな情報)を出す。そうすると2の目が出た確率は2/5となる。これが事後確率である。

*****

 起きてしまった殺人事件が目の前にあるときに、事前確率を示して陪審員を煙に巻いた裁判の詳細は以下の引用を見てもらえばいいが、それより何より、確率論などを使って何という裁判をしているのかと、呆れてもらってもいい(もちろん確率論での正当な反論がなされいればそれは良いことだが・・・)。

 以上は米国の裁判の話だが、日本も裁判のデタラメぶりでは負けてはいない。言うまでもなく私は裁判員になるのは絶対拒否する。なぜなら、日本の裁判の実態を知れば、裁判員として誤った裁判の共犯者になる可能性が極めて高いからだ。
 
▼O・J・シンプソン-プルトニウムファイル、そしてチェルノブイリ極秘 
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/oj--d754.html


▼レナード・ムロディナウ 『たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する』 田中 三彦/翻訳、 ダイヤモンド社 、2009/9/17)

頁179――

ミスリードされた裁判――O・J・シンプソンはなぜ無罪に?

頁180――

 (引用者注:証拠は十分そろっていたから)被告側にできることは、ロサンゼルス警察の人種差別――O・J・シンプソンはアフリカ系アメリカ人――を非難し、警察の清廉潔白さと証拠の信憑性を批判するぐらいだった。
 検察側はそのはじめの部分を、ニコールに対するO・J・シンプソンの暴力傾向に絞る決断をした。そして検事たちは裁判の最初の10日間を使って彼女への彼の虐待の過去を陳述し、それだけでも彼に妻殺害の容疑をかけるのに十分な理由であると主張した。検事たちはそれを、「平手打ちは殺人への前奏である」と言った。
 被告弁護団は検察側のこの作戦を「主張事実の複合的記載」(巻末訳注4参照)の告発ステップとして使った。そして、検察側は2週間を費やして陪審員団をミスリードしようとしている、O・Jが昔何度かニコールに暴力を振るったという証拠は何も意味しない、と応酬した。『FBI統一犯罪統計報告書』によれば、1992年においてもいまだに合衆国で毎年400万人の女性が夫やボーイフレンドに暴力を振るわれ、合計1432名が、あるいは2500分の1が、夫またはボーイフレンドによって殺されている、というのがダーショウウィッツが提示した論拠だ。それゆえ、連れ合いを平手打ちしたり叩いたりする男が連れ合いを殺してしまうことはほとんどない、と被告側は切り返した。
 本当か?本当だ。説得力はあるか?ある。では関係があるか?ない。関係のある数字は、妻に暴力を振るう男が妻を殺してしまう確率(2500分の1)、ではなく、虐待されていた妻がその虐待者により殺された確率だ。1993年における『合衆国ならびにその領土に対する統一犯罪統計報告書』にしたがって、ダーショウウィッツ(あるいは検察側)が取り上げるべきだった確率は以下の確率だ。1993年に合衆国で殺害された虐待されていた全女性のうち、およそ90パーセントはその虐待者によって殺された。だが、この統計データが裁判で言及さる(ママ)ことはなかった。 

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