秘密保護法案:浮かぶ「官僚の情報囲い込み」拡大懸念

秘密保護法案:浮かぶ「官僚の情報囲い込み」拡大懸念

毎日新聞 2013年12月01日 22時08分(最終更新 12月01日 23時34分)
 
 
 

官僚が囲い込む特定秘密の指定
 国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案で官僚による情報の「囲い込み」が拡大する懸念が国会審議を通じ浮かんできた。まず官僚が膨大な秘密文書から政治家に渡さない情報を除外し、さらに閣僚らによる特定秘密の指定・解除も官僚の判断の追認に終わる「二重構造」だ。行政の裁量に委ねられる範囲は極めて広く、安倍政権が重視する「政治主導」との整合性が問われそうだ。【小山由宇】
 「重要な外交文書を知らされないまま否定した外相がいる。ウソの官僚答弁を読まされた方がよっぽど恥ずかしい」
 11月28日の参院国家安全保障特別委員会。共産党の井上哲士氏が、1960年の日米安全保障条約改定の際、核を搭載した米艦船の寄港を認めた「核密約」を取り上げた。官僚から歴代外相の一部にしか伝えられておらず、外相が国会で「密約はなかった」などと答弁し続けてきたことを指摘し、「官僚による情報囲い込み」を追及した。
 岸田文雄外相は「長期間、国民に明らかにされなかったのは遺憾だ」と認めざるを得なかった。
 公電など外務省が公表しない文書は年間200万件以上ある。法案では、その中から官僚が特定秘密にすべき情報を選んで外相に示す仕組みだ。だが、核密約だけでなく、96年の薬害エイズ事件では、官僚が関連文書を事務レベルで長期間隠蔽(いんぺい)して問題となった。民主党の官僚出身議員は政権時代の経験から「官僚はこれと思った機密を『個人メモ』として隠す」と指摘する。
 さらに「30万件台」(礒崎陽輔首相補佐官)に上る個々の特定秘密を閣僚がチェックするのは難しく、秘密指定が適当かどうかの判断は官僚に依存せざるを得ない。法案は自民、公明、日本維新の会、みんなの党の4党修正により首相の指揮監督権を明記したが、実務を担う内閣情報調査室には警察庁や外務、防衛両省など、特定秘密を指定する主要省庁からの出向者が多く、「身内」の秘密指定を点検できるかは不明だ。
 法案の付則に盛り込まれた第三者機関の設置検討について、安倍晋三首相は米国立公文書館の情報保全監察局を参考にする意向を示す。ただ、礒崎氏は第三者機関の在り方に関し「行政からの完全な独立ではない」としており、独立性が担保されるメドは立たない。
 このほか、行政を監視する立場の国会議員は情報漏えいへの罰則が強化され、国会に「秘密会」が設置されると秘書ら政策ブレーンにも内容を相談できず、官僚の秘密指定に事実上縛られる可能性が高い。60年を超えて指定できないルールも、半永久的に指定できる例外7項目の解釈は官僚に委ねられる。
 
 
 
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