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感謝祭に思うボリビア・クーデターとインディアン戦争


侵略者(人種主義者)の思考回路──


ピルグリムたちの「感謝」は、インディアンの親切に対してではなく「天なる神」へのみ向けられていた


■藤永茂『アメリカ・インディアン悲史』朝日新聞社、1974年第1刷、1994年第15刷

頁28──

 感謝祭(サンクス・ギビング)はアメリカの国定祝日の一つである。通常、秋11月の最終木曜。この日、親切なアメリカ人の家庭に招待されて、七面鳥や、パンプキン(かぼちゃ)パイ等のご馳走になった経験をもつ人も多いことであろう。
 1621年11月、アメリカで最初の感謝祭がマサチューセッツ州プリマスで祝われた。1年前の1620年11月にメイフラワー号でアメリカ大陸に着いたイギリスからの移民の一団は、プリマスの地をえらんで新世界での開拓生活をはじめたが、その冬はことのほか厳しいものとなり、疾病、食糧欠乏にさいなまれて、総員101人のうち、その半数が春を待たずに死んで行った。大部分が野外農耕生活の経験をもたぬ都市生活者であったことも致命的だった。春の到来とともに、生き残りの人々は、森をひらき、畑をととのえて、農作物の種子をおろした。苦難の労働にあけくれた夏もすぎ、やがて豊穣の秋を迎えた。わずか数十人の開拓民たちにとって、その最初の感謝祭は感無量のものがあったであろう。祝宴には、近くから多数のインディアンが加わった。当時の記録によれば、「多数のインディアンがやって来たが、なかでも、かれらの偉大な王、マサソイトは部下90人を率いて祝宴に加わり、我々はかれらを3日間にわたって歓待した」。インディアンたちは、森から5匹の鹿や野生の七面鳥などをたずさえて野外の宴に参加し、白人たちとともに、みのりの秋の好日をたのしんだのであった。
 農耕にほとんど経験のない白人たちに、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ等の栽培法を教えたのはインディアンであった。魚のとり方、さらには、あまった魚や海草を肥料にすることを教えてくれたのもインディアンであった。

*  *  *

 当時、マサソイトの直接の影響下にあったインディアンは、優に1000人をこえ、プリマスの一握りの開拓民達の命運は、まさにマサソイトの手中にあった。ピルグリム・ファーザーとよばれるこの白人の一群が、あとにつづく侵入者の尖兵として新大陸に辛くも橋頭堡を確保したのだという認識にマサソイトは欠けていたといえよう。ともあれ飢えた旅人には、自らの食をさいてもてなすというインディアン古来の慣習にしたがって、彼はピルグリムを遇した。しかし、ピルグリムたちの「感謝」は、インディアンの親切に対してではなく「天なる神」へのみ向けられていたことが、やがて痛々しいまでに明らかになる。

*  *  *

 プリマスの町では、そのマサソイトの立派な銅像と、メイフラワー号の復元複製を見ることができる。ところで、去る1970年11月のサンクス・ギビングの日に、一群のインディアン達が、マサソイトの銅像の石台の上に立ってアジ演説を試み、またメイフラワー号の帆具に登ってデモを行い、ついに警官の出動にまで及んだという。簡単な新聞の報道からは、彼等が何を叫んだか知る由もない。しかし、ここには、インディアン350年の怨念がある。1971年はプリマスで最初の感謝祭が行われてから350年の記念の年にあたる。インディアン達は忘れない。マサソイトの後をついだ、その子のキング・フィリップが、侵略者としての白人達の、際限のない横暴に対して乾坤一擲の反撃を試みて一敗地にまみれた時、プリマスの白人達は、彼の死体を分断し、その首級をプリマスの街頭にさらして、そのまま25年に及んだことを、インディアン達は忘れない。


■宗教殺人の色々 ~天皇教、オウム、タクフィール(背教徒宣告)、そしてキリスト教~

http://blackisbeautiful2013.blog.fc2.com/blog-entry-10294.html


マスコミに載らない海外記事

 

2019年12月 1日 (日)

感謝祭に思うボリビア・クーデターとインディアン戦争

Finian Cunningham
2019年11月28日
Strategic Culture Foundation

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-81be72.html


 今週アメリカ合州国が毎年の感謝祭を祝う中、このアンデス山系の国で展開しているアメリカが支援するクーデターで、ボリビア先住民が虐殺されているのは憎むべき意味で、ふさわしい。

 11月10日、画策された大規模街頭暴力で、エボ・モラレス前大統領が恫喝され退任させられた際、ドナルド・トランプ大統領は「民主主義にとって素晴らしい日」だと称賛した。トランプが意味していたのは「金権政治にとって素晴らしい日」だ。ラパス新政権は、14年の進歩的社会主義と民主主義によって、ボリビア人の大多数の先住民が得られた恩恵を後退させる、植民地支配者の子孫、支配階級の権力復帰だ。

 マックス・ブルメンソールとベン・ノートンが書いているように、クーデターは10月20日のモラレス再選を、ワシントンが中傷し、ワシントンに有力なコネがあるボリビアのオリガルヒが命令するファシスト民兵組織が実行したのだ。

 ボリビアのオリガルヒと、その支持者は、先住民文化を、異教徒として軽蔑する右翼キリスト教原理主義を奉じている。他の寡頭支配者連中と同様、大半が貧しい先住民を「悪魔のようだ」と非難する自称「暫定大統領」ヘアニーネ・アニェスが、大多数の先住民に対する猛烈な人種差別を表している。

 ボリビアでの権力奪取の狙いは、天然ガスと鉱物という国富の支配と、モラレス指導下、あつかましくも圧倒的多数の貧しい人々のために国を支配した先住インディアン住民に対する人種差別主義者の報復なのだ。

 もしメキシコ亡命から戻れば、テロのかどで刑務所に入れられるとモラレスは警告された。新政権は国軍に、モラレスの社会主義運動党(MAS)メンバーを「狩りつくす」よう指示した。新政権は、ストライキをしたり、新政権反対の他のデモをしたりする抗議行動参加者を警察と軍が射殺するのを刑事免責にした。政権は、先に、社会主義運動党が国会で大多数の議員を擁するにもかかわらず参加することを許さない新たな選挙をすると約束している。そうした空虚な約束さえも反古にされつつあるように見える。

 非武装の抗議行動参加者を国軍が実弾射撃するため、モラレス追放以来、30人以上の人々が殺され何百人も負傷している。メデア・ベンジャミンは現地から報じ、先住民共同体は増大する残虐行為と軍事独裁の昔に復帰する不安の中で暮らしていると言う。

 11月19日、エルアルトでの出来事で、ヘリコプターで強化した軍と警察が、新政権反対の非武装ストライキをしていた子供を含むMAS支持者8人を殺害した。

 「医療機器が足りない難しい状態で、医者と看護師が必死で緊急手術をして、命を救おうとしているのを見た」とベンジャミンが報じた。「私は銃傷を負った五人の遺体と多数の人々を見た。息子が撃たれたのを嘆く母親が、すすり泣きながら叫んだ。「彼らは我々を犬のように殺している」

 ボリビアでのクーデターは、アメリカ大陸至る所で何世紀も行われてきたインディアン戦争という、より広範な歴史的事実と一致している。中米や南米大陸で、マヤや、より小さなアンデス山系の文明社会を消滅させた15世紀のスペインとポルトガルのコンキスタドールから、現在のアメリカ合州国やカナダとなった北米先住民の土地を奪い破壊した、後のイギリスや他のヨーロッパの植民地主義者に至るまで。

 陳腐に聞こえるかもしれないが、それでも、アメリカ合州国や他の現代アメリカ諸国が、先住民の大量虐殺を基に築き上げられたことは決して忘れられるべきではない。大量虐殺は一度たりとも正当に償われたことがない。現在のアメリカ・インディアンは大部分が、隅に追いやられ、貧困に陥った状態で暮らしている。彼らの豊かな国は、産業資本主義に盗まれ、汚染されてしまったのだ。

 人類に対する野蛮な犯罪に基づく残酷な合州国の真実の歴史を消し去るものゆえ、感謝祭やコロンブス記念日のような公式祝典は絶えがたい。

 絶滅行為という合州国の出発点と、その経済、軍事能力に対し、償いは言うまでもなく、公式に認知されないのなら、この国が自身、他の国に戦争と破壊を行い続けるのを許すのも驚くべきことではない。そもそも発端以来、法を超越しているのだから、アメリカは法を超越するのだ。

 ハリウッド風の感謝祭描写は、1600年代初期に北東海岸に到着したイギリス人入植者が、食物を分かちあい、外国人に厳しい冬を切り抜けて生き残る方法を教えてくれた原住民と友人になったと語る。このバラ色の物語で削られているのは、ヨーロッパ人入植者が強欲な土地強奪を拡大し、しばしば彼らのキャンプ地で彼らを虐殺し、現地人を絶滅に追いやった、それに続く数世紀だ。

 二人のFBI職員殺人のでっちあげ有罪判決で、ほぼ40年収監されているアメリカ先住民長老レナード・ペルティエ(現在75歳)は今年の感謝祭のために以下のを書いた。「棒鋼とコンクリート壁を越え、私の心をあてもなくさまよわせる際、刑務所の外に暮らす人々が何をしているのか、何を考えているのか想像しようとする。彼らは故郷から追い出された先住民について考えるのだろうか? どの方向であれ歩く際、盗んだ土地を自分たちが歩いているのが分かっているのだろうか? いてつく寒さの中、西に向かって進まされ続け、わずかしか、あるいは全く食物がないまま、女性や子供や赤ん坊、病人や高齢者が苦しむのを見るのが、一体どんなことだったか一分でも想像できるのだろうか? 彼らは私と同族で、ここは我々の土地だった。」

 文の中で、レナード・ペルティエは、ボリビアでのクーデターとアメリカ中での先住民に対する過去の罪を結び付けている。

 「最初の先住民大統領エボ・モラレスを支持して反乱しているボリビアの兄弟姉妹も我々は忘れない。土地や資源や、汚職に対する保護という国民に対する彼の誓約は称賛に値する。我々は彼の戦いを、しっかり認め共感している」と彼は書いている。

 概して、アメリカが、金権政治体制と従順な商業マスコミのおかげで、歴史記憶喪失状態にあるがゆえに、ボリビアに対する犯罪が起き得るのだ。感謝祭には、店が開店のためドアを開けるの待って人々が列に並ぶブラック・フライデーとして知られる消費者狂乱の一日が続く。人々は安物道具やハイテク・フェチで虚ろな人生を満たしている。トランプや彼の福音主義キリスト教閣僚などの富豪連中は、ボリビアで起きているのは「民主主義にとって素晴らしい日」だなどという粗野なたわごとを奉じている。

 カナダのシンガーソング・ライター、ブルース・コバーンが見事に表現している。「皆それは終わったと思ったが前と全く同じだ。インディアン戦争には決して終わりがないのだろうか?」

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/11/28/bolivian-coup-and-indian-wars-on-thanksgiving/

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