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針路を探る 表現の自由への圧力 個の足場を守るために

針路を探る 表現の自由への圧力 個の足場を守るために

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200105/KP200104ETI090001000.php

 憲法の縛りを払いのけるような政権の振る舞いが、民主主義の足場を揺さぶっている。行政文書は改ざん、廃棄され、政策や意思決定の過程は闇に紛れた。国会は追認機関と化し、政府を監視する役目を果たせていない。

 そして、政権の姿勢と呼応するように、異論を排除する空気が社会にまん延し、表現の自由が脅かされている現状がある。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止に至った事態は、それをあらわにしてみせた。

<わき上がる排撃の声>

 芸術表現の政治性をめぐって、美術展で作品が撤去、修正されたことは過去にも少なからずある。不自由展そのものが、発表の場を奪われた作品を通して、表現を取り巻く状況を問う試みだった。

 今回の事態がこれまでと様相を異にするのは、特定の団体や集団にとどまらず、排撃する声がわき上がるように起きたことだ。戦時下の慰安婦を象徴する少女像などに、「電凸(でんとつ)」と呼ばれる抗議の電話が殺到し、わずか3日で会場は閉ざされた。放火をにおわす脅迫のファクスも届いた。

 政治権力の干渉、介入がそれを勢いづかせた側面がある。河村たかし名古屋市長の言動はその最たるものだろう。少女像を「日本人の心を踏みにじるもの」と断じ、声高に展示中止を要求した。

 さらに見過ごせないのは、政府の圧力だ。菅義偉官房長官が開幕翌日、既に採択していた補助金の見直しに言及し、その後、全額不交付を決めた。経過は不透明で、政治判断としか受け取れない。

 芸術文化活動への公的支援の対象を政府が恣意(しい)的に選別するのは検閲と実質的に同じ意味を持つ。危うい公権力の姿勢と、「反日」といった言葉で表現の自由が包囲されていくさまは、戦時下の状況とも重なり合って見えてくる。

<物言えぬ社会が再び>

 検閲は世間と共振していた―。近現代史の研究者で作家の辻田真佐憲(まさのり)さんは著書「空気の検閲」で述べている。国策に同調しない人に浴びせられた「非国民」「国賊」という非難。言論の統制は、強権だけでなく、社会に充満する空気によって成り立っていた。

 今また、圧迫は至るところで強まっている。昨年7月の参院選では、札幌での安倍晋三首相の演説にやじを飛ばした人が警察に排除された。翌月の埼玉県知事選でも、文部科学相の応援演説会場で大学入試改革を批判した学生が警察官に取り囲まれ、遠ざけられた。

 長崎の公立中学校では、講話を依頼された被爆者が、憲法には触れないよう求められた。抗議したが聞き入れられず、講話は中止に。「憲法は平和教育の範囲外」だと校長は話したという。

 報道への政権、与党による圧力もあからさまだ。自民党はテレビの選挙報道に注文をつけ、総務相は放送局に電波の停止を命じる可能性にまで言及した。

 報道を萎縮させる脅しと言うほかない。官邸での官房長官の会見では、特定の記者の質問を妨害しているとしか思えない対応が繰り返された。

 情報を統制し、市民への監視を強める法制度も次々とつくられている。政府が持つ広範な情報を覆い隠し、漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法。幅広い犯罪について、合意したと見なした全ての人に処罰の網をかける共謀罪法…。その先に、物言えぬ社会が再び姿を現そうとしていないか。

 表現の自由は当たり前にあるのではない。不自由展の中止はそのことを突きつけた。であればこそ、閉幕間際の短い期間とはいえ、再開できた意味は大きい。

<自分の言葉を発する>

 最大の力となったのは、国内外の美術作家たちの意思表示だ。海外からトリエンナーレに参加した作家が、中止を検閲と受けとめて強く抗議し、触発されるように国内の作家たちが声を上げた。

 川崎市が共催した映画祭でも、慰安婦問題を扱った映画「主戦場」の上映がいったん中止されながら、関係者や市民が動いて覆した。圧迫が強まる一方で、それを押し返す動きが起きている。

 とはいえ、胸をなで下ろせる状況にはない。批判を浴びそうな作品をあらかじめ封じるような形で、自由が後退しないか。注意深く目を向けていく必要がある。

 表現の自由は民主主義の基盤としてだけでなく、一人一人が社会や他者と関わり、自律して生きていくために欠かせないものだ。政治権力の統制下に置かれ、暴力や威圧におびえて縮こまるしかなくなれば、社会は単色に染まり、個の尊厳は保てなくなる。

 誰かの自由が脅かされているのを見過ごせば、自分が生きる足場も崩れていく。一人の、少しのためらいが積み重なって、物言えぬ空気は膨張する。自由をめぐって何が今起きているのかに目を凝らし、自分の言葉を発したい。

(1月5日)
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河村市長「法的措置検討」 札幌の不自由展で写真燃やす動画

2019年12月24日 09時00分

 

河村市長「法的措置検討」 札幌の不自由展で写真燃やす動画

https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019122490090004.html

 名古屋市の河村たかし市長は23日の定例会見で、札幌市で21日に開かれた芸術展「北海道・表現の自由と不自由展」に自身の写真が燃やされる動画作品が出展されていたとして「犯罪的行為だ。法的措置を検討する。少なくとも侮辱罪には当たる」と述べた。

 この芸術展は、8月から10月まで名古屋市で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が、妨害や脅迫の殺到を受けて一時、中止されたことを憂慮した北海道内の芸術家が企画した。河村市長が問題視したのは、道内の漫画家が出展した動画作品1点で、河村市長や菅義偉官房長官、東条英機元首相らの写真が燃える場面が登場する。

 河村市長は、税金が投入されるトリエンナーレの不自由展で昭和天皇を題材にした版画を燃やす映像作品などが出展されたのは問題だとして一貫して批判してきた。国は支給予定だった補助金の不交付を決めた。

 一方、今回の芸術展は民間主催で税金は投入されていない。会場は公共施設だが、一定の開催概要を申告した上で使用許可を得たという。

 芸術展実行委員会の金井孝次・共同代表は取材に「政治や権力に対する表現の自由がどこまで許されるのか市民に考えてもらうために企画した。法廷で争う覚悟もある」と述べた。

(中日新聞)

18歳、表現の自由を考える

 ■18歳、表現の自由を考える

テレビ、新聞、SNS。
最近、いろんなところで、このことばを見聞きすると思いませんか?
「表現の自由」
話題になったきっかけは、すっかり有名になった「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」。
慰安婦問題を象徴する少女像などの展示をめぐって、激しい議論が繰り広げられました。
「表現の自由って、何?」
「なんで、そんなに大切なの?」

最近、そんな難しい問いに向き合った青年がいました。
これまで、表現の自由の大切さなんて考えたこともなかった、18歳の大学1年生。
自分なりの答えを、見つけたみたいです。(岡山放送局記者 周英煥)

・・・


タブー破り、日本最大の芸術祭で展示される“少女像”

登録:2019-07-30 22:51 修正:2019-07-31 14:32
 http://japan.hani.co.kr/arti/international/34000.html                             


数十万人が訪れる「あいちトリエンナーレ」で 
日本大使館前の平和の少女像と同じ作品が 
1日から初めて展示される 
「無事に展示終わったら日本社会にとっても希望」 
市民らが交代で右翼の妨害に対応する予定
先月、ドイツのドルトムントで「日本軍性奴隷制と女性人権」をテーマに開催された「ボタリチョン」に展示された平和の少女像。今回「あいちトリエンナーレ2019」で展示される少女像と同じ形だ=キム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻提供//ハンギョレ新聞社

 韓服(ハンボク・朝鮮半島の民族衣装)を着た少女が両手を合わせて正面を見つめている。後ろには影がさしている。影は少女ではなく、ハルモニ(おばあさん)の姿だ。少女の時に「慰安婦」として動員され、今はハルモニになった被害者の姿を象徴する。影には蝶も刻まれている。慰安婦被害の告発に続き、人権と平和の運動家になったハルモニたちの姿を連想させる。隣には「水曜集会千回目を迎え、その崇高な精神と歴史を受け継ぐために、この平和の碑を建てる」と書かれた平和の碑も置かれている。

 日本に対する輸出規制で韓日の対立が深まる中、日本社会の代表的なタブーである「平和の少女像」が、日本最大規模の国際芸術祭で、初めて完全な姿で展示される。愛知県は8月1日から10月14日まで、「情の時代」をテーマに、愛知県名古屋市美術館などで「あいちトリエンナーレ(triennale)2019」を開催するが、展示作品に平和の少女像が含まれている。あいちトリエンナーレは、愛知県一帯で2010年から3年毎に開かれる日本最大規模の国際芸術祭で、2016年の展示会には60万人の観客が訪れた。

 29日、展示会場の一つである名古屋で会った芸術監督の津田大介氏は、展示の趣旨について「少女像について賛否を問うことが目的ではない。日本ではこの造形物の名前が平和の少女像であり、慰安婦像ではないということすらあまり知られていない」と話した。彼は「どのような経緯で製作され、どのような意味があり、なぜ(2012年の提示当時、レプリカが)撤去されたかを、客観的な事実とともに示したいと思っている」とし、「実物を見て判断してほしい」と語った。

 津田氏は、この展示が日本内でどれだけ敏感に受け止められるかについても、十分考慮していると話した。実際、日本政府は2015年韓日「慰安婦」合意交渉でも、在韓日本大使館前の少女像の撤去を要求した。昨年12月にはフィリピンで少女像が設置されたが、日本政府の圧力で二日後に撤去された。

平和の少女像を製作したキム・ウンソン氏(左)、キム・ソギョン氏(右)夫妻と展示を企画した岡本有佳氏(中央)が今月29日、愛知県名古屋市にある愛知県美術館の前でポーズを取っている。後に見えるのは「あいちトリエンナー2019」のレポスター=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 今回展示される少女像は、在韓日本大使館前の「平和の少女像」を作った彫刻家のキム・ウンソン(54)氏とキム・ソギョン氏(53)夫妻が、少女像と全く同じ形で制作したものだ。キム夫妻が2015年、日本の市民らに預けたもので、これまでは私立展示館や小劇場での公演の際に披露されただけだった。名古屋で会ったキム・ソギョン氏は、2015年に日本に持ってくるとき、目立たないように細心の注意を払ったと語った。キム氏は「日本で(平和の碑もある)完全な形の少女像を公の場で展示するのは初めてだ。日本の公共美術館の展示されること自体が大変意味のあることだ」と評価した。

 この少女像が日本に留まっている理由は、2012年に遡る。2012年8月、キム夫妻は東京都美術館で開かれた展覧会に、高さ20センチほどの「模型少女像」を展示したが、美術館側によって展示中に会場から撤去された。2015年には、日本の市民らが在韓日本大使館前に設置したのと同じ大きさの少女像と写真作家アン・セホン氏が撮影した慰安婦被害女性の写真などを集め、東京私立展示館で「表現の不自由展」という名前で展覧会を開いた。あいちトリエンナーレの芸術監督でありジャーナリストでもある津田氏が、当時展示を進めた市民らに依頼し、今回の少女像の展示が実現した。

 2015年の「表現の不自由展」に続き、今回の展示企画に参加した日本の出版編集者・岡本有佳氏は「今回の『表現の不自由展・その後』に展示される17点の作品のなかで、慰安婦被害関連展示が3点も含まれていることについて、多すぎるのではないかという指摘もあった。しかし、多いわけではなく、安倍晋三政権が(慰安婦被害を)目につかないようにしたからこそ、そうなっただけ」だと話した。彼女は「日本社会には、最近閉鎖的な空気があるが、10月14日まで展示が無事に終わることを望んでいる。(日本国内で朝鮮半島に対する)植民地支配に向き合おうとする人たちに希望をつないでほしい」と述べた。

 今回の展示には、日本社会のタブーに真っ向から挑戦する他の作品も展示される。2017年、日本群馬県近代美術館で展示される予定だったが、展示を拒否された「群馬県朝鮮人強制連行追悼碑」が代表的な事例だ。

 愛知県は日本の中でも保守的地域の一つとされる。これを受け、日本全国の市民数十人が交代で展示場を訪れ、右翼の妨害に対応するこ予定だ。日本国内では安倍政府の対韓貿易規制に賛成する世論が高まっている。少女像は最後まで展示されるだろうか。

名古屋/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2019-07-31 07:59

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/903948.html訳H.J

上映中止で批判相次ぐ 是枝監督「あるまじき判断」

上映中止で批判相次ぐ 是枝監督「あるまじき判断」

川崎市で開催中の映画祭で、慰安婦問題をテーマにした映画の上映に川崎市が懸念を示し主催者が上映を中止したことから、是枝裕和監督など映画関係者を中心に批判の声が相次いでいます。

川崎市で来月4日まで開かれる「KAWASAKIしんゆり映画祭」では、慰安婦問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「主戦場」の上映を予定していましたが、出演者の一部が上映差し止めなどを求め訴訟を起こしていることに共催する川崎市が懸念を示し、主催者のNPO法人が上映を中止しました。

主催者の「KAWASAKIアーツ」は、妨害などの迷惑行為があった際に安全対策が取れないことなどを理由に上げていますが、「表現の自由の侵害だ」とか「過剰なそんたくだ」などと批判の声が寄せられているということです。

別の映画の製作会社は、抗議して映画祭での2つの作品の上映を取りやめたほか、29日夜は会場で是枝裕和監督と出演作品の1つが抗議のために上映取りやめとなった俳優の井浦新さんが登壇し、今回の対応を批判しました。

是枝さんは「主催者としてあるまじき判断で、作り手への敬意を欠いている。どういう善後策を取れるか考えてほしい」と訴え、井浦さんは「都合が悪いから上映を中止するという考えは映画を楽しむ人も作り手も自由を奪われる危険な行為だ」と抗議しました。

主催者は30日、映画関係者や市民、スタッフなどが今回の問題を議論する集会を開くことにしています。

是枝監督「上映のリスク みなで背負うもの」

是枝監督「上映のリスク みなで背負うもの」
映画祭の会場で登壇したあと、取材に応じた是枝裕和監督は「上映に伴うリスクは主催者だけでなく映画祭を作るみんなで背負うものだ。まだ何も起きていないのに行政の懸念だけで上映が取りやめになるのは言語道断だ。川崎市は懸念を表明するのではなく、共催者として懸念を払拭(ふっしょく)するために行動するべきだった」と話していました。

主催者「真摯(しんし)に受け止め」

映画祭を主催するNPO法人「KAWASAKIアーツ」の中山周治さんは、「川崎市からの懸念は示されたが命令や指示などはなく、来場者に純粋に映画を楽しんでいただけるよう考えた結果、NPOとして主体的に上映の中止を判断した。批判を真摯に受け止めたうえでよりよい活動ができるよう検証などを行っていきたい」と話していました。

慰安婦問題扱った映画 上映中止に抗議 2作品上映取りやめ

慰安婦問題扱った映画 上映中止に抗議 2作品上映取りやめ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191030/k10012155921000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

川崎市で開かれている「KAWASAKIしんゆり映画祭」が慰安婦問題を扱った映画の上映を中止したことに抗議して、別の2つの作品の上映を予定していた映画製作会社の「若松プロダクション」は上映の取りやめを決め、会見で監督が「表現の場が失われている流れに異議申し立てをする」などと説明しました。

若松プロダクションは、「KAWASAKIしんゆり映画祭」が慰安婦問題を扱った映画「主戦場」の上映を中止したことに抗議して、「止められるか、俺たちを」と「11.25 自決の日~三島由紀夫と若者たち」の映画祭での上映を取りやめることを決め、29日、東京都内で記者会見を開きました。

会見では、「止められるか、俺たちを」の監督を務めた白石和彌さんが、「ことしに入ってからあいちトリエンナーレの問題などの中で、表現の場が失われている流れがある。この流れに異議申し立てをして、問題提起の1つとして上映取りやめを決めました」と経緯を説明しました。

そのうえで、「具体的にはどういうものか分からないが、川崎市が懸念を示した瞬間に何らかの圧力だとわれわれは思っている。映画祭側も映画人として映画を守るべきだし、そこにプライドを持ってほしい。どんな圧力を受けたとしても、そこで映画のために戦ってくれる姿勢が1ミリでもあれば、僕らはその背中を押します」と話していました。

また、「止められるか、俺たちを」の脚本を担当した井上淳一さんは、「事なかれ主義で、『大きな問題が起こる前にやめておこう』ということが起きている。今後、映画祭では政治的な映画は初めからリストアップしないとか、そういうことが起こるのではないか。しんゆり映画祭は愛のある映画祭だと思っていたので、だからこそ悲しい」と話していました。

若松プロダクションによりますと、上映を取りやめた2つの作品は、映画祭とは別に川崎市内の文化施設で無料で上映する予定だということです。

川崎市の対応を批判

若松プロダクションの会見では、映画「主戦場」を配給している会社の代表、木下繁貴さんが最後に発言し、「このまま『主戦場』の上映が中止になってしまうと悪い前例になってしまうので、会社としては映画祭側に改めて上映をしてほしいと強く願っています」と訴えました。

そのうえで、「行政側、公権力が文化に対して口出しをしてくる、圧力をかけてくる、形を変えた検閲を行おうとしていると感じました」と川崎市の対応を批判しました。

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