「5G」という言葉を聞いたことがあるだろうか。現在、スマホなどで使用している第4世代(4G)の電波と比べ、大容量のデータをより速く送受信できる第5世代の移動通信システムのことだ。次世代高速通信規格として、すでに米国と韓国ではサービス開始。日本でも来年春から本格的な商用サービスが始まる予定だ。

 

この5Gの魅力は4Gの100倍という通信速度。たとえば2時間程度の映画をスマホにダウンロードする場合、現在、5分程度かかるものが、わずか3秒。また大量のデータを瞬時に必要とする車の自動運転の精度を高めることも期待されている。

 

「メリットばかりが宣伝されている5Gですが、じつは大きな問題があります。使用している電波の波長が4Gより短く、電波が短い距離しか届かない。スマホの電波として使用するには、小型基地アンテナを20〜100メートル置きに設置しないと実用化できません(現在の4Gは2〜3キロに1基)。生活空間のいたるところにアンテナが隙間なく設置されることになり、つねに電磁波に照射される。人体に与える電磁波の影響は10倍ともいわれているんです」

 

そう警鐘を鳴らすのは医療・環境ジャーナリストの船瀬俊介さん。じつは欧米では、船瀬さんの危惧するような事例が相次いで報告されている。

 

【1】297羽のムクドリが突然死

 

昨年10月、オランダ・ハーグで駅前に設置した5Gのアンテナ塔から実験電波を飛ばしたところ、隣接する公園の木の枝に止まっていたムクドリが次々に墜落し、297羽が突然死した。

 

「鳥を解剖したが、伝染病といった疾患は見つからず、5Gのマイクロ波が鳥たちの心臓を止めたということでしょう」(船瀬さん・以下同)

 

【2】消防士が頭痛、不眠に

 

米国サクラメントの消防署では近くに5Gの基地局が設置されて以来、複数の消防士が頭痛や不眠に悩むようになった。

 

「彼らは別の消防署に異動したところ、症状が治まったそうです」

 

【3】ベルギーでは5G導入中止

 

ベルギーではもともと電磁波に対して厳しい基準が設けられており、現行のままでは5G導入ができないことから、携帯会社から規制緩和を求められていたが、環境大臣がその要請を却下。5G導入は事実上、不可能になった。

 

新たな電磁波の普及を前に「5G反対同盟」を結成した船瀬さんはこう語る。

 

「便利になるかもしれないが、健康被害の検証はいまだ不明確。いまのスマホ機能は4Gで十分使える。拙速に5Gに突き進まず、ベルギーのように一度立ち止まってみるべきではないでしょうか」