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リバティおおさか休館へ 消える人権運動の象徴 別の場所で再開目指す

リバティおおさか休館へ 消える人権運動の象徴 別の場所で再開目指す

地域のランドマークともなってきた大阪人権博物館=大阪市浪速区で、戸田栄撮影


 https://mainichi.jp/articles/20200510/k00/00m/040/125000cコロナ禍の中、日本で唯一の人権問題の総合博物館として国内外の来館者を集めてきた大阪人権博物館(リバティおおさか)=大阪市浪速区浪速西=が、ひっそりと人権の故地での35年の歴史の幕を閉じようとしている。同館は存続を懸けた大阪市との裁判闘争の末、2022年に別の場所での再開を目指して6月1日から休館する。5月末には、しばしのお別れの無料一般公開などをする予定だったが、実施は困難な状況だ。

 同館は大阪府と大阪市が全面的に支援し、1985年に大阪人権歴史資料館として出発し、95年に大阪人権博物館と改称してリニューアルオープンした。部落問題のほか、障害者や性差別、在日コリアン、アイヌ問題など多岐にわたる人権問題の展示・研究に取り組み、総入場者は約170万人に及ぶ。

 だが、大阪の知事、市長を務めた橋下徹氏らの方針転換により、府市は13年に補助金を撤廃し、存続の危機に陥った。さらに、市は同館の撤去と敷地の返還を求めて15年7月に提訴、同館は「政治的意図に基づく行政権力の乱用だ」と主張して大阪地裁で裁判が続いてきた。

 裁判では、市に土地所有権があることが重く、同館が部落差別解消推進法が成立する時代状況を含めて人権施設を廃止に追い込む施策の是非を問うには限界があった。このため裁判は和解協議に移行し、近く決着する見通しともされる。同館は全国水平社創立100周年の22年に向けて新しい場所での再建を目指す方針を打ち出し、今年3月に6月からの休館を決めた。

 同館の所在地周辺は、明治中期、被差別部落の解放を論じた自由民権運動家の中江兆民を国会へ送り出した地域だった。解放運動を本格的に展開した全国水平社が結成されるとまもなく本部が移ってきて、運動の中心地として全国にその名を知られた。野間宏の小説「青年の環」の舞台ともなった。

 この地域は部落解放には教育が重要と考えて、明治初期から地域で資金を集めて子どもの学校をつくってきた。同館の敷地も地元小学校の第3期校舎の整備(1928年)にあたり、地元で資金を集めて購入するなどした後、大阪市に寄付したものだ。このため、同館はかつての同校を模したデザインになっている。地域で、この建物は差別をはね返す意味を持つランドマークともなってきたが、同館の解体で失われることになる。

 同館の新たな建設地や規模、再開への具体的なスケジュールなどは、未定だ。再出発には相当な資金が必要なうえ、博物館事業は館単独で収支を安定させることが難しく、関係者は準備に苦慮している。その意味では、将来は不透明だ。休館中は巡回展やセミナーなどを開催するという。

 同館は「部落問題のみならず、さまざまな差別と人権に関する課題はますます重要になっている。教育や啓発はもとより資料の保管や研究などに貢献し、これまで以上に人権に関する総合博物館としての存在意義と社会的役割を担っていく」としている。【戸田栄】

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コンセッション



■水道コンセッション

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

水道コンセッション


水道事業は今後、施設老朽化や人口減少による料金収入の減少、職員不足が見込まれる。浜松市もこのままでは25年間で46%程度の値上げが必要という。そこで国は、自由度が高い運営民間に長期委ねるコンセッション方式を広めようとしている。 PFI法に基づいて空港などで行われているが、水道では大阪や奈良で議会が否決するなどし、広がっていない。上水道に導入すると民間が事業者となるため、自治体の関与が薄れる問題がある。国は、事業者としての認可は自治体に残す水道法改正案の成立を図っている。 下水道はもともと自治体事業と定められ、事業者と運営に当たる企業との分離が可能。浜松市の西遠処理区で4月から全国で初めて、仏ヴェオリアグループなどが出資する新会社が20年間の運営を開始。14・4%の経費削減効果を見込む。 市はホームページで、水道事業へのコンセッション導入の詳細を説明している。

(2018-10-07 朝日新聞 朝刊 静岡・1地方)


出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報






■コンセッション

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コンセッション
こんせっしょん
concession

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空港、道路などの公共インフラストラクチャー(インフラ)の所有権を政府などの公共団体が保有したまま、事業・運営・開発などの運営権を一定期間、民間へ売却すること。政府が民間に権利を与えるためコンセッション(譲与)とよばれる。「公共施設等運営権制度」と訳されることもある。民間の資金やノウハウを社会資本整備に生かすPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)やPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の一種である。日本では、1999年(平成11)に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が制定され、2011年(平成23)の同法の改正により、公共施設の運営権の概念が確立し、幅広い公共インフラにコンセッション方式を導入できるようになった。売却期間は30~50年が想定されている。さらに2013年には「民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律」(民活空港運営法)が成立し、関西国際空港などの空港で運営権を民間へ売却する計画が進んでいる。また、愛知県では有料道路の運営権を売却する計画がある。日本のPFIの事例は、導入された1999年から2013年3月末までに418件あるが、市場規模は4兆円程度にとどまっており、政府はコンセッション方式導入で2023年ごろに市場規模を約12兆円に拡大する計画である。
 コンセッション方式は、民間にとっては、利用料金の設定・徴収が可能で、運営利益で初期投資を回収できる。運営権が財産権として認められれば償却が可能であるうえ、担保設定が可能で資金調達をしやすいという利点もある。所有権は公共団体に残るため、資産取得・保有に伴う固定資産税などの税負担が生じない。一方、政府などの公共団体にとっては、運営権の民間売却で収入が得られるほか、民間資金を活用して公共インフラの整備・更新・維持管理ができる利点がある。さらに所有権は持ち続けるので、予期せぬ第三者に買収される懸念がなく、また、民間事業者が運営に失敗した場合には、契約を通じて運営に関与できる。
 海外では欧米のほとんどの国のほか、カナダ、オーストラリア、ブラジル、韓国などで空港、道路、港湾、上下水道、病院などの運営に採用されている。とくにフランスにおけるコンセッション方式の歴史は古く、16世紀には運河整備に適用され、19世紀には公共サービスの調達方式として普及していたとされる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例


デジタル大辞泉の解説

コンセッション(concession)

譲歩。譲与。また、政府などから与えられる免許

 

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

コンセッション

土地や建物を保有したまま約30~50年間、運営権を外部に売却する資金調達の手烹所有権は持ち続けることで、契約を通じて運営に関与できるうえ、株式を上場した場合と異なり買収される懸念も無い。空港の場合は旅客や貨物の落ち込みなどによる減収リスクも負わずに済む。海外では、今年2月にブラジルサンパウロなど主要3空港の運営権が計約1兆円で売却された例がある。売却後、国は新関空会社に毎年支給している補給金(12年度は69億円)をゼロにする方針。

(2012-10-01 朝日新聞 朝刊 3総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

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