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ベルギーの王女 コンゴにおけるベルギー王家の残酷な植民地支配の過去を非難 賠償金支払いを呼びかける

2020/7/9(木)http://democracynow.jp/dailynews/2020-07-09

米最高裁は、雇用主は従業員への避妊手段の無料の提供を、宗教または道徳観の理由で、拒否できるとするトランプ政権の主張を支持する判断を示しました。生殖権にとって大きな打撃です。オバマ政権が導入した医療保険制度(通称「オバマケア」)では、雇用者に従業員の避妊薬や避妊手段の自己負担をゼロにする保険適用が義務付けられていましたが、今後宗教上の理由で、それを例外対象とすることが出来ます。「非常にがっかりする判決でした」と、「全米女性司法センター」(National Women’s Law Center」代表兼CEOのファティマ・ゴス=グレーブスは言います。「例外対象となった人は、避妊薬の方法や費用を自分で見つけ負担することになるのです」

パンデミックによる空前の世界的な公衆衛生の緊急事態が続いていますが、新しい国連報告書は、次のパンデミックを阻止するため、人類は自然環境に対する圧力を緩める必要があると言います。COVID-19と呼ばれる新型コロナウイルス感染症は、人畜共通の起源、つまり動物から人間に伝染したもので、この報告書はこのような病気は、農業の工業化や気候変動危機を含む人類の活動が原因で、伝染の頻度が増しているとしています。「我々は症状に注目するよりも、原因に目を向けました」と、新報告書の主執筆者でケニアの国際家畜研究所(International Livestock Research Institute)獣医伝染病学者、イギリス資源研究所(Natural Resources Institute)食品安全学教授のデリア・グレースは言います。

米国の「黒人の命も大事」(Black Lives Matter)運動は、世界的に人種差別と植民地支配の歴史を見直すきっかけとなっていますが、ベルギーでも体系的な人種差別への取り組みと暴力的植民地支配の過去への償いを要求する運動が盛り上がっています。フィリップ国王は、レオポルド2世時代のコンゴにおけるベルギーの残虐な植民地支配に対して「遺憾の意を表明する」という前代未聞の声明を発表しました。レオポルド2世はコンゴを私的領地として扱い、王の命令により数百万人のコンゴ人が奴隷となり殺害されました。「これは消されてしまった歴史なのです」と、ベルギー系コンゴ人ジャーナリストで活動家のジア・アブラサートは言います。ベルギー王室の一員でレオポルド2世の甥の孫娘であるマリー=エスメラルダ王女にも話を聞きます。ベルギーは重要な一歩を踏み出したものの、「これからもっと先に進まなければならない」と王女は語ります。

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藤永茂:7月4日は誰の独立記念日か?



■フレデリック・ダグラス



■荒このみ編訳『アメリカの黒人演説集』岩波文庫、2008年、第1刷


頁49──

4 奴隷にとって7月4日とは何か?
1852.7.5.

フレデリック・ダグラス
1818ー1895

頁72──

 アメリカの奴隷にとって、皆様の7月4日とは何でしょうか。こう言いましょう。常にその犠牲になっているひどい不正と残酷さを、1年のうちのどの日にもまして、突きつけられる日だと。奴隷にとって、皆様の祝典は偽物(まがいもの)です。皆様が大言壮語している自由は、不浄な放縦です。皆様の国家の偉大さは、膨張する虚栄です。歓喜の声は空しく、心が欠けています。専制君主の弾劾は、鉄面皮の厚かましさです。自由と平等の叫びは、空っぽの嘲りです。皆様の祈りや賛美歌、説教や感謝、宗教行列、儀式は、奴隷にとって単なる大言壮語・欺瞞・ごまかし・不敬・偽善でしかありません。野蛮人の国家を汚す犯罪を覆い隠す薄布です。この時点において、合衆国の人々ほど衝撃的で、血なまぐさい行為を犯している民族は、地球上どこにもいません。


頁78──

 けれどももっと非人間的で、恥ずべき状況、憤慨にたえない状況があることを伝えねばなりません。まだ2年も経っていませんが、アメリカ議会の決定により、奴隷制度がきわめて恐ろしく不快な形で全米化しました。この法の制定で、メイソン・ディクソン・ライン(メリーランド州とペンシルヴェニア州との境界線。南北を象徴的に分ける)は忘れられました。ニューヨークもヴァージニアと同じです。男・女・子供を奴隷として所有し、狩りたて、売買する権利は、もはや州の制度にとどまらず合衆国全体の制度になりました。その力は星条旗とアメリカのキリスト教と共存しています。それが許されているところでは、無慈悲な奴隷捕獲人がうろついています。それが許されているところでは、人間は聖なる存在ではありません。人間は余暇を楽しむ人々の銃口が向けられる小鳥です。人間が制定した、最悪で悪魔的な法規によって、あらゆる人間の自由と人格が、危機にさらされています。共和主義の広大な領土が、人間を狩る猟場になっています。社会の敵の泥棒ではなく、何ら罪のない人間を狩るのです。立法者が善良なる市民に、この地獄の遊びに参加しろと命じています。大統領、国防長官、主人、著名な人々、聖職者が、自由と栄光ある国、および神へ負う義務として、この呪われた仕事をするように強制しています。過去2年間で40人を下らないアメリカ人が捕獲され、一瞬の警告もなく、あわただしく奴隷の身に貶められ、酷い拷問にあっています。その中には、日々の食物を頼る妻や子供がいる者もいました。このようなことに何の考慮も払われません。犠牲者に対する捕獲人の権利のほうが、結婚による権利や、共和国で認められているその他の権利、神の権利でさえもしのぐほど強いのです!黒人の男にとっては、法律も正義もなく、人間性も宗教もありません。逃亡奴隷法では、逃亡奴隷に憐れみをかけたら犯罪になります。かれらを裁く判事に賄賂が贈られます。奴隷所有者に逃亡奴隷を引き渡した場合、アメリカの判事には10ドルが支払われます。うまく引き渡せなかったときは5ドルです。地獄のように黒々とした逃亡奴隷法では、2人の悪者の誓約があれば、もっとも敬虔で模範的な黒人の男を、冷酷な奴隷所有者の牙の前に差し戻すことができます!黒人の証言はまったく無意味です。自分のための証言者を召喚することはできません。アメリカの裁判所に仕える者は、法律によって一方の側だけの言い分を聞きます。その一方とは抑圧者の側です。このおぞましい事実を、永遠に語り続けましょう。専制者を殺し、王を憎悪し、人民を愛し、民主的なキリスト教徒のアメリカで、裁判所の座席には、堂々と賄賂を受け取り、人間の自由を判断するにあたり、告発者の一方的な意見しか聞かない判事ばかりが座っていると、轟く声で世界に知らせましょう!
 正義にひどく違反し、法律の実践において恥知らずにもそれを無視し、弁護できない立場の者に罠をかけて巧みに導き、悪魔的な意図を持つ逃亡奴隷法は、専制的な法律文書の中で屹立しています。この地球上に、制定法全書に、そのような法律を記入するほど厚かましく卑劣な国があったでしょうか。この点に関して聴衆の中に私と意見を異にし、私が言ったことに論駁できるというかたがいらっしゃるようでしたら、私は喜んで受けて立ち、その方の都合のいい時間に都合のいい場所へ出向きます。




私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました



https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/5fd6caf7e4998a41c1f438f43791749c

7月4日は誰の独立記念日か?(2)


https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/abf456889826b35210741fb44ca04ef0

前回(2)からの続きです。

********************

 ノース・カロライナ州で自由黒人として生まれたデイヴィド・ウォーカー(1785〜1830)は、読み書きを学んで育ち、1815年には、実質上奴隷制度が廃止されていた北部のマサチューセッツ州に移り住んで勉学を続け、1829年、『ウォーカーの訴え』と題する書物を出版した。奴隷制を維持して利益をむさぼる白人たちを非難し、アメリカ独立宣言冒頭の人権宣言の偽善性を激しく衝く文章が含まれていた。

 「アメリカ人よ、「独立宣言」を読んでみなさい。あなた方は自分の言葉を理解しているのか?1776年7月4日にあなた方世界に向かって宣言した言葉に耳を傾けてみるがよい。

“すべての人間は平等に創られていること、彼らは、その創造主によって、奪うことのできない一定の権利が与えられていて、その中には、生命、自由、そして幸福の追求があること、我々はこれらの真理を自明なものであると考える。”

あなた方自身が言ったこれらの言葉と、残酷非情なあなた方の父親とあなた方が、我々の父親と我々に加えた残忍な仕打ちと殺人行為をくらべてみよ。我々の側からは、あなた方の父親とあなた方に何の挑発もしてはいなかった。」

奴隷保有者たちはウォーカーの、単純明快で手厳しく、反論の余地のない正論に追い詰められたと感じ、驚き慌てて、黒人の間に読み書きの能力が広がるのを阻止しようとした。南部諸州では黒人に読み書きを教えることを罰する法律が成立した。ウォーカーの逮捕には、生きたままならば一万ドル、死体ならば一千ドルの奨励金が懸けられた。1830年6月28日、45歳のウォーカーの死体が彼のボストンの自宅の玄関の前で発見された。

 その翌年1831年8月21日、奴隷の黒人青年ナット・ターナー(1800〜1831)の率いる奴隷反乱がヴァージニア州サウサンプトン郡で起こった。ターナーは自分が働いていた農園の奴隷数人とともに行動を起こして、主人一家を殺して銃を奪い、次々と農園を襲って仲間を70人ほどにまで増やしたが、弾薬が尽きて鎮圧された。殺された白人の数は婦女子を含めて55人だった。州当局は反乱奴隷の56人を絞首刑にしたが、他に約200人の黒人が怒り狂った白人群衆から暴行を受け、殺される者もあった。その多くは反乱とは関係のない人々だった。ターナーは幼少の頃から利発で、たちまち読み書きの能力を身につけ、聖書を熱心に読んだ。独立宣言の記念日7月4日を期して反乱を起こす計画だったが、病気のために延期を余儀なくされたという。独立宣言の言語道断の偽善性に対するターナーの怒りはウォーカーの怒りと通底していたに違いない。

 ボストンの名高い奴隷解放運動家(白人)ウィリアム・ロイド・ギャリソン(1805〜1879)も7月4日の独立記念日の偽善性を鋭く批判した。

 毎年の7月4日、我が『独立宣言』が、激しい怒りを持って、母国の専制政治を列挙し、世界の尊崇をかちとるために持ち出される。しかし、今日わが国の奴隷が耐えている諸悪と対比するとき、この文書は何とつまらぬ不平の数々をのべ立てている事か。・・・・・ わたしは、神の前で言わねばならない。われわれの信念と実践のあいだに存在するこのようなあからさまな矛盾は、人類五千年の歴史にも例がない、と。その意味で、わたしは自分の国が恥ずかしい。わたしは、自由と平等を褒めたたえるわが国民の空々しい大演説、人間の奪うべからざる権利にかんする偽善的な空念仏に吐き気がする。 (山本幹雄『異端の説教師ギャリソン』95頁)

ナット・ターナーの反乱から30年後の1852年の7月4日、ニューヨーク州ロチェスター市開催のアメリカ独立記念日の式典に招待された元奴隷の奴隷廃止運動家フレデリック・ダグラス(1818〜1895)は、『奴隷にとって七月四日とは何か』と題する歴史に残る名演説を行った。その中から最も激烈な部分を引用しよう。

 アメリカの奴隷にとって、皆さんの七月四日とは何でしょうか。私は答えましょう。彼が絶え間なくその犠牲者になっている目に余る不正と残酷さを、一年の他のすべての日にもまして、思い知らされる日だと。奴隷にとって、皆さんの祝典は見せかけだけの偽物です。皆さんの自慢たらたらの自由は、ひどい放埒です。皆さんの国家の偉大さは、膨れ上がった虚栄です。皆さんの歓喜の声は空虚で、非情です。専制君主に対する皆さんの弾劾は、鉄面皮の厚かましさです。自由と平等の叫びは、中身のないまがい物です。皆さんの祈りや賛美歌、説教や神への感謝、宗教行列、儀式は、奴隷にとっては、単なる大言壮語・欺瞞・詐欺・不敬・偽善でしかなく、この野蛮人の国の恥さらしともなる犯罪を覆い隠すための薄い布です。この現時点において、合州国の人々ほどショッキングな血なまぐさい行為を犯している民族は、地球上一つとして存在しません。

 皆さんの思うところに出かけて調べてみてください。旧世界のすべての君主国や専制国を歩き回り、南米をくまなく旅し、虐待を洗いざらい調べあげ、そして虐待の調べが終わったら、皆さんが見つけた事実をこの国で日常茶飯に行われていることと並べて置いてみてください。そうすれば、反吐が出そうになるような蛮行と、厚顔無恥の偽善において、アメリカは天下に並ぶものなく君臨していると、皆さんは私と一緒に言うことになるでしょう。

 勇敢な発言である。しかも、それは、21世紀の現時点の「7月4日」の祝典にも突きつけるにふさわしい内容だ。特に「この現時点において、合州国の人々ほどショッキングな血なまぐさい行為を犯している民族は、地球上一つとして存在しません」以下の文章は、イラク/アフガニスタン/パキスタンの民衆がこぞって賛同を惜しまないであろう。では、アメリカ国内の声はどうか。ある人々は主張するだろう。「アメリカには奴隷はいない。黒人も完全にアメリカの中に受け入れられた。黒人大統領バラク・オバマの出現がその決定的な証拠だ」と。この証拠を受け入れることができない理由は、もう一人の勇敢な黒人の声を聞いたあとで論じよう。

 フレデリック・ダグラスの激烈な演説から11年後の1863年には、リンカーンのゲティスバーグの演説が行われ、そのちょうど100年後の1963年の夏、首都ワシントンの記念館の巨大なリンカーン坐像の前で、私たちはキング牧師の歴史的名演説『私には夢がある』を聞くことになる。このあまりにも有名になってしまった演説については、未来の“夢”を叫んだ終わりの三分の一だけが一人歩きして、多くの人がキング牧師の激しい怒りと要求を忘れがちだ。アメリカ人が傾聴すべき部分はその冒頭にある。そして、それは、ウォーカーの、ターナーの、そしてダグラスの声と同じ声であったのだ。キング牧師は、まず、100年前のリンカーンの奴隷解放宣言と、それが何百万もの黒人奴隷に与えた絶大な希望を語り、続いて次のように言った。

 しかし、その100年後の今、黒人は未だに自由になっていない。100年を経た今も、黒人の生活はいまだに隔離政策の手枷と差別の鎖で痛ましく自由を拘束されている。100年を経た今も、物質的繁栄の広大な海の真ん中に浮かぶ貧困の孤島で生きている。100年を経た今も、黒人はいまだにアメリカ社会の片隅で惨めに悩みくらし、自分の土地にいながら流刑人の自分を見出す。だから、我々は、この怪しからぬ状況を劇的に示すために今日ここにやってきたのだ。

 ある意味で、我々は約束手形を現金化するために我が国の首都にやってきた。この共和国の創設者たちが憲法と独立宣言の堂々たる言葉を綴った時、あらゆるアメリカ人が相続すべき約束手形にサインしていたのである。この手形はすべての人々に、そう、黒人にも白人にも、“生命、自由、そして幸福の追求”という“奪うことのできない権利”を保証したはずの約束であったのだ。しかし、有色の市民に関する限り、アメリカがこの約束の手形を不払いのままにしてきたことは、今や明らかである。この神聖な債務を履行する代わりに、アメリカは黒人に“資金不足”として突き返されてきた不渡り手形を与えたのだ。

 またしても“生命、自由、そして幸福の追求”だ。1776年7月4日のアメリカ独立宣言の目玉の人権宣言は、その原初の虚偽性の故に、アメリカの歴史を通じて、抗議の標的にされ続けてきたのである。

 2008年、アメリカの出版大手ダブルデイから『別の名のもとの奴隷制(Slavery by Another Name)』が出版されて評判になった。著者はダグラス・ブラックモン(Douglas Blackmon)、保守系有力新聞『ウォール・ストリート・ジャーナル』のアトランタ支局長。彼によれば、アメリカの奴隷制は、1865年の憲法改正による奴隷禁止令の以後も、実質的には面々と維持されて20世記に及んでいる。公式に奴隷は消えたにしても、実質的に奴隷の苦難の中にある人々は、現在のアメリカに数百万を数える。圧倒的に有色の人間たちである。彼ら、彼女らの声の代弁者もいる。大メディアの騒音にかき消されてはいるが、私たちが耳を澄ませば、ウォーカー、ダグラス、キングの直裁さに劣らない厳しい声を、グレン・フォードやシンシア・マキニイなどの黒人指導者から聞くことができるのである。残念ながら、黒人大統領バラク・オバマは、これらアメリカ社会の底辺に呻吟する数百万の人々の声を代表していない。この第44代アメリカ合州国大統領は、ろくでなしの黒人男性たちを叱りこそすれ、代弁する気はほとんど持ち合わせていないのだ。

 1776年のジェファソン筆の「独立宣言」は、女性の全体、無学で無財産の白人、インディアン、黒人の全てを政治のプロセスから除外する、優れて反デモクラティックな国家創設の文書であった。ところが、アメリカの指導者たちは、この独立宣言の欺瞞を見事に隠蔽する詭弁を発明し、綿々と使ってきた。「独立宣言の冒頭の人権宣言は、アメリカが国家の理念として、その完全な実現に向けて絶えず前進すべき聖なる目標であり、アメリカはその完成に向かって確実に進歩している」というものである。バラク・オバマも著書や演説の中で繰り返しこの立場をとっている。(引用終わり)

********************

 以上の文章は、ちょうど10年前に出版した拙著『アメリカン・ドリームという悪夢』からの抜き書きです。米国内で黒人たちが今も受けている苦難に対する抗議運動が勃発している今、読み返してみて、やりきれない思いが吹き上がってくるのを抑えることが出来ません。例えば、168年前のフレデリック・ダグラスの演説『奴隷にとって七月四日とは何か』からの引用文の後半を再読して下さい。

「この現時点において、合州国の人々ほどショッキングな血なまぐさい行為を犯している民族は、地球上一つとして存在しません。皆さんの思うところに出かけて調べてみてください。旧世界のすべての君主国や専制国を歩き回り、南米をくまなく旅し、虐待を洗いざらい調べあげ、そして虐待の調べが終わったら、皆さんが見つけた事実をこの国で日常茶飯に行われていることと並べて置いてみてください。そうすれば、反吐が出そうになるような蛮行と、厚顔無恥の偽善において、アメリカは天下に並ぶものなく君臨していると、皆さんは私と一緒に言うことになるでしょう。」

 私がこれを引用した2010年から後に、米国は世界で何をしてきたか。ホンジュラス、リビア、シリア、ハイチ、ヴェネズエラ、ブラジル、ボリビア、と直ぐに思い付く国名だけをあげても、「合州国の人々ほどショッキングな血なまぐさい行為を犯している民族は、地球上一つとして存在しません」というフレデリック・ダグラスの指摘がそのまま生きていることが分かります。なぜこのような事態が延々と続いているのか? この問いを、いま米国の黒人問題騒乱に参加している若者たちが、自らに深く問いかけるのでなければ、米国に未来はありません。単なる黒人苦難の問題ではないのです。

藤永茂(2020年7月7日)

ケイトリン・ジョンストン:極左だと言ってお互い非難し続けるアメリカの二大右派政党


極左だと言ってお互い非難し続けるアメリカの二大右派政党

2020年7月2日
ケイトリン・ジョンストン

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-a73f03.html

 バイデン選挙運動は、トランプ大統領が、左翼指導者のフィデル・カストロや、ウゴ・チャベスや、ニコラス・マドゥロと同類だと主張する新しいスペイン語版広告をしている。バイデン選挙運動がこれをしたのは初めてではなく、先月フロリダで、同じ比較の選挙運動が、スペイン語を話す有権者に向けてされていた。

 決してトランプを当選させるなと主張する共和党員に運営されている資金豊富なスーパー PACが、英語字幕入りで、ナレーターがロシア語で、母なるロシアについてに語り、ロシアによる「同志トランプ」支持をまくし立てる、ソ連指導者の画像をちりばめ、赤い槌と鎌のシンボルが描き込まれたトランプ映像を呼び物する、あきれるほど愚かな口コミ・ビデオを発表したおかげで、本記事執筆時点で、#ComradeTrump(同志トランプ)というハッシュタグが、ツイッターで話題になっている。本記事執筆時点で、このビデオはツイッターだけで、200万回以上見られている。

 トランプを共産主義と社会主義と否定的に結び付け、好戦性が十分でないという理由で大統領を非難する一貫したパターンと組み合わせる戦術は、反動的な、主戦論の右翼政治イデオロギーのメンバーに向けられた場合のみ有効だろう。それはまさに民主党のイデオロギーなので、それは機能する。

アメリカ兵の生活は危険にさらされており、それを止めるためトランプは何もしなかった。

「アメリカ・ファースト」をトランプが生涯で売った詐欺の長いリストに追加しろ。それは明らかに、トランプ・ファーストで、ロシア・セカンドで、アメリカ最後だ。pic.twitter.com/sqiRyqtJBE
- リンカーンプロジェクト(@ProjectLincoln) 2020年7月1日

 一方、トランプは、2020年の選挙運動で、右翼の競争相手を極左として描写し、先月、Twitterに下記のような、ばかばかしい声明を投稿して過ごしているように思われる。

  • 「活気のないジョー・バイデンは、警察の資金を止めるだけではない、彼は軍の資金も止めるするだろう! 彼に選択肢はない、民主党は過激派左翼に支配されている。」
  • 「活気のないジョー・バイデンは(既にそうだが)極左だ。」
  • 「活気のないジョー・バイデンは地下室「避難所」を出て、過激派左翼のボス連中に彼らが間違った方向に向かっていると言うのを拒否している。」

 漫画家で「アメリカを再び偉大にする」思考のリーダー、スコット・アダムスが、ある種の、共和党に対する極左民主党によるアメリカ大粛正があり、「もしバイデンが当選すれば、一年以内にあなたが死ぬ可能性が高い。共和党員は狩りをされるだろう。」と主張して、益々広がりつつある通説を促進している、

 そう、共和党員よ、有意義な方法で権力に挑戦しない、現状維持イデオロギーで、文字通り、あなたがた全員殺されるだろう。

活気のないジョー・バイデンは、警察の資金を止めるだけではない、彼は軍の資金も止めるするだろう! 彼に選択肢はない、民主党は過激派左翼に支配されている。
- ドナルド・J・トランプ(@realDonaldTrump) 2020年6月7日

 だから、2020年の数え切れない正気でない進展の一つは、アメリカの主流政党二党とも、お互いを極左過激論者だとして攻撃するため、異なる戦略を使っていることで、彼らは、世界基準からすれば、いずれも大いに右翼政党なのだから、全く異様だ。いずれの党も、経済不平等不を終わらせるための富の再分配は言うまでもなく、他の先進国では標準の、基本的な社会的セーフティネットには関心皆無で、資本主義の終了や、労働者による生産手段の所有のような本当の左翼的な目標を持つことからはほど遠い。

 私がアメリカには二大右翼政党があると言うときは常に、ジョー・バイデンやナンシー・ペロシやチャック・シューマーのような連中を極、極、極左派共産主義者だと信じ、混乱と憤慨で早口にしゃべる、信じがたく縮小する「オヴァートンの窓」の共和党犠牲者のことを思っている。これはもちろん全て、プロパガンダで作り上げられたものだ。

 両党は、多かれ少なかれ、全く同じオリガルヒや、戦争の不当利益者や、帝国主義の政府機関の権益を推進するために働いている。彼らがしたことと言えば、受容できる討論の話題を、有力な資本家連中が全く気にしない同性婚や男女両用公共トイレのような些細な問題にずらすことだった。だから今主流「保守主義者」は左翼主義とはピンクの髪を意味すると考え、主流「リベラル派」は、トランプ支持者はクレムリンの役に立つばかと考えるが、実際、本当の権力への異議申し立てという点で彼らには、いささかの差もない。

 右側からお互いを攻撃し、極左派だと言って相手を非難するこの動的関係は、もちろん、あらゆる左寄りの動きの可能性を消しながら、アメリカの政治的立場を益々右へと動かし続けるが、これは、もちろん計画的なものだ。

新しい広告で@JoeBidenは、Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)、Covid-19大流行と「フィデル、チャベス、マドゥロとトランプは同類」だと宣言するトランプの恐ろしい姿の映像を混ぜている
それなら、なぜトランプは、大統領任期中に、キューバやベネズエラに対する攻撃を強化したのだろう pic.twitter.com/1hajo941Z6
- Anya Parampil (@anyaparampil) 2020年7月1日

 かつてノーム・チョムスキーは「人々を受動的で従順にしておく賢い方法は、受容できる意見の幅は厳密に制限するが、その幅の中では、非常に活発な討論を許すことだ」と述べたが、実際、アメリカの政治的単一政党以上に、明確な図解を求めるのは不可能だ。体制の言説管理者によって、人々は、どうでもよいタワゴトを熱狂的な強烈さで言い争い、軍国主義を終わらせたり、政府の不透明さや、金権政治のように、有力者連中に実際に不都合をもたらす関係を取り上げたりすることは決して考えさえしないよう奨励される。

 民主党と共和党はイデオロギーが違うと言うことさえできない。もちろん彼らは、ボクサーが左ジャブと右のクロスを異なった方法で使うのと同じ方法で、少し違う振る舞いをするが、ボクサーの二つの握りこぶしと全く同様、彼らは、いずれも、まさに同じ狙いを推進するために使われている。ボクサーの場合は敵が意識を失うまで打つが、単一政党の場合は、ひと握りの権益集団と帝国主義の権益を推進するのだ。

 両党は同じ鳥の、二つの翼に過ぎないということわざは本当だが、それは右の翼が二つある突然変異の奇妙な鳥だ。

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「白人声優の降板」歓迎するアメリカの特殊事情 「黒人のチャンスを奪う時代」はもう終わりだ

「白人声優の降板」歓迎するアメリカの特殊事情 「黒人のチャンスを奪う時代」はもう終わりだ
猿渡 由紀 2020/07/04 17:00
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/白人声優の降板-歓迎するアメリカの特殊事情-黒人のチャンスを奪う時代-はもう終わりだ/ar-BB16k4Z0?ocid=spartandhp
人種平等を求める「Black Lives Matter」運動の余波が、アメリカ各地に広がっている。最近では、アニメの声優を誰が務めるのかに焦点が当たった。人気アニメ番組の製作者や声優が立て続けに、「白人声優が有色人種キャラクターの声を担うのは不適切だからやめる」と言い出したのだ。
6月26日、放映開始から30年の長寿アニメ『ザ・シンプソンズ』のプロデューサーがその意向を発表。6月27日には、放映開始20年の『ファミリー・ガイ』で黒人キャラクターの声を担当してきた白人声優のマイク・ヘンリーが、ツイッターで降板を発表した。
 彼らのほかにも、女優のクリステン・ベルがAppleTV+の『セントラル・パーク』から、ジェニー・スレートがNetflixの『ビッグマウス』から、それぞれ有色人種のキャラクターの声を降板。アリソン・ブリーも、Netflixの『ボージャック・ホースマン』でベトナム人のキャラクターの声を担当してきたことに対して謝罪のメッセージを送っている。
 いくら人種平等が大事だからと言って、何もそこまで目くじら立てなくてもと思う人もいるかもしれない。だが、今回の騒動はさまざまな意味で当然のことであり、むしろ遅すぎた対応ともいえるのだ。
なぜ「白人声優の降板」が当然なのか?
 まず1つに、そもそもハリウッドには「有色人種のための役がとても少ない」という背景がある。有色人種のキャラクターを顔が見えないからといって白人に任せてしまうと、ただでさえ恵まれない有色人種の声優たちのチャンスがさらに奪われてしまう。
2つ目は、もっと根本的な問題だ。有色人種のキャラクターが白人の声でしゃべることは不自然なのである。というのも、そもそも白人と黒人は声質が異なる。もし電話越しで顔の見えない状態で話したとしても、相手が白人か黒人かどうかはすぐわかる。
 なのに、これまで作り手はわざわざ白人声優を起用し、黒人の声真似をさせていたのだ。これはある意味、有色人種に対するステレオタイプを増長させる行為でもあり、つまり、2重、3重の侮辱でもある。
 有色人種のキャラクターの声を白人が担当する問題は、決して初めて認識されたものではない。実際、近年はそこを意識してキャスティングするケースも見られるようになった。
 2019年に公開された『ライオン・キング』では、主要キャラクターの多くが黒人キャストで固められている。ライオンに黒人も白人もないわけだが、舞台となるアフリカに敬意を捧げるのであれば、アフリカ系アメリカ人に声を任せるのは決して間違いではない。
 2008年の『カンフー・パンダ』で、「中国に愛を捧げる」と言いつつ、ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ダスティン・ホフマンら白人俳優に最も重要な役を任せたのとは大違いだ。
 日本のアニメにも、多少の変化が見られてきた。2009年にアメリカ公開された『崖の上のポニョ』ではマット・デイモンやケイト・ブランシェットが声を務めたが、2018年に公開された『未来のミライ』では、父親役をジョン・チョー、祖父役をダニエル・デイ・キムなどアジア系俳優が演じたのだ。
 しかし、母親役はなぜか白人のレベッカ・ホールだったし、2019年の『天気の子』では、意識してアジア系を起用しようとする配慮が見られなかった。今後アメリカ公開される作品では、こうした配慮を無視することはおそらく許されないだろう。
変化を求められる「アメリカのアニメ映画」
 さらに、今回の騒動を機に、「声優の選び方そのもの」を見直すことになるのではないかと思う。人種平等の潮流だけでなく、コロナによる景気後退もまた、後押ししそうだ。
 この20年ほど、ハリウッドのアニメの声優は、たびたび知名度や人気度で選ばれてきた。1999年の2Dアニメ『アイアン・ジャイアント』では、とくにふさわしいというわけでもないのに主人公の母親役を人気女優のジェニファー・アニストンが務めたが、CGアニメの競争が激化してからはますます大スターがキャラクターの声を当てる傾向が強まった。
 それを最も促進したのは、ジェフリー・カッツェンバーグ率いるドリームワークス・アニメーションだ。彼らはほぼ人気度や知名度だけを最大の基準に声優を決めてきたと言ってもいい。もちろん、気持ちはわかる。大スターが声をやるとあればそれだけで話題になるし、そのスターたちが公開時にレッドカーペットに立ったり、インタビューを受けたりしてくれることで、宣伝になるからだ。
 スターにとっても、これは非常においしい仕事。多くの場合、声の録音は数カ月に1回程度のものが何回かあるだけなのに、『シュレック』でキャメロン・ディアスは1000万ドル(およそ10億円)のギャラを手に入れた。
リース・ウィザースプーンもパラマウントの『モンスターVSエイリアン』で同額を得たし、トム・ハンクスは『トイ・ストーリー3』で1500万ドルを手にしたと推測されている。
 しかし、2016年に大爆発した「#OscarsSoWhite」運動がハリウッドの白人偏重を、2018年が明けるとともに始まった「#TimesUp」運動が女性差別を指摘してから、業界には、映画やテレビにマイノリティや女性の優れたキャラクターをもっと出すようプレッシャーがかけられてきた。その結果、白人がすべての役を独占することは、過去に比べれば少し難しくなってきている。
 そんな中、CGアニメの競争激化でドリームワークスは経営破綻。コストを抑えつつヒット作を出すイルミネーションを抱えるユニバーサルの傘下に収まることになった。予算が豊富なこのジャンルで、予算を使わない人たちが勝者になったのである。
「スターの声優起用」は要らない
 そして、今回のコロナだ。映画の公開も、制作もストップされ、すぐそこの未来も見えない状態で、スタジオはもはや、大スターに無意味な大金をはたくことはしない。
 
 そもそも、今はレッドカーペットも対面インタビューもないのだから、スターに期待されていた宣伝活動も限られている。第一、観客は本当に「そのスターの声だから」アニメ映画を見に行っていたのだろうか。そうではないと、ちょっと考えてみれば、誰でも気づくはずである。
 ハリウッドには、あらゆる年齢、あらゆる人種の、幅広い才能がそろっている。その人たちは、みんなハングリーに次のチャンスを狙っている。仕事の対価をはるかに超える高額なギャラを払わなくても、彼らはきっと素晴らしい仕事をしてくれるはずだ。
 だから、顔の見えないアニメの声に、わざわざ有名なスターを選ぶ必要はない。これからは、目をつぶり、声だけを基準にキャスティングをすればいいのだ。ただし、人種差別を増長するようなキャスティングがされないよう、そこだけは目を開いておかなければならない。

大藪順子:BLMは黒人だけの問題でない理由 複数の人種にルーツある「ミックスレイス」増加

2020年6月14日、東京でも人種差別に抗議するデモが行われた(Getty Images)

BLMは黒人だけの問題でない理由 複数の人種にルーツある「ミックスレイス」増加

https://forbesjapan.com/articles/detail/35242

アメリカ各地で起こっている人種差別と警察による暴力反対デモ。パートナーがアメリカ人の黒人である私にもいろいろと思うことがあるのだが、軽々しくものを言ってはいけないと今まで言葉にしてこなかった。

でも少しずつ心の整理をしながら、アメリカの外で暮らす2分の1ブラックアメリカンファミリーから見た、Black Lives Matterムーブメントについて書いてみたい。

早期のデモに関するニュースでは「暴力」が目を引き、大統領を筆頭に、自分と反対の意見を持つ者たちを力で抑え込もうとする政治家や警察官や、デモに紛れて暴力行為を繰り返す白人の扇動者も目撃されているけれど、最近のデモは全体的に、様々な肌の色の人たちが、Black Lives Matterなどのプラカードを掲げて平和的なデモを行っていた。

警察官の中には、そんな市民に寄り添っている人も多いと聞く。日本を含む世界各地でもアメリカの黒人に対する差別反対を表明するデモが行われ、この問題に目を向ける人が増えていることは喜ばしい。

「Black Lives Matterは白人問題」の真意


残念ながら日本でも、夫は黒人であるがゆえに心無いことを言われることもある。日本に来てからの就職活動中には、それが露骨に見えたものだ。それでも、道を歩いているだけで突然警察に呼び止められ犯罪者扱いされることは、この日本に住む7年間に彼自身は受けていない。本人曰く、アメリカでは、「万引きするのではないか」と店で監視されるのが日常だったが、日本ではそれもあまり経験していない。

2週間前、ホワイトハウス近くの教会前でトランプ大統領の写真を撮るためだけに、平和的なデモの群衆に催涙スプレーやゴム弾を発砲するという強制排除が起こった。ホワイトハウスまで地下鉄で4駅しか離れていない地区に住んでいた私たちには、デモに参加している友達や親戚がいる。アメリカ各地にいる姪や甥たちも、非暴力デモに参加していることを、私達は誇りに思い安全を祈っているが、同時に心配はぬぐい切れないでいる。

今回世界に広がったBlack Lives Matterムーブメントは、今に始まったことではないが、ジョージ・フロイド氏が警察の暴行で亡くなったことで起こった数々のデモを見ていて思うのは、人々の意識は変わりつつあるということだ。

ニュースでアメリカのデモが映る時の群衆をよく見てほしい。黒人だけではなく、白人や多種多様な人々が確認できる。なぜ黒人以外の人がこれほどまでにBlack Lives Matterを叫ぶのか。

今回のデモを見ていて、いろんな怒りが垣間見られる。人権侵害に対する怒りに加え、コロナでステイホームを強いられたストレスや失業者が4000万人以上の現実の中での先の見えない不安、大統領に対する溜まりに溜まった不信感。

Black Lives Matterは、警察に殺される率が白人に比べて倍以上の黒人が置かれているシステム化された差別に対するスローガンだ。90年代に黒人男性はメディアに「絶滅危惧種」のようだと表現されたほど、あらゆる場面で不当な扱いを受け、その頃には民営化された刑務所の利益のために、無実の罪に問われた黒人が無数に出たという歴史もある。

肌の色だけで判断される危険性


自分の夫や子が肌の色だけでどのような人か勝手に判断され、危険視され、殺されるような目に遭ったらどう思うだろうか。私には想像することすら耐えがたい。

日本の中では日本人である限りその点安全かもしれない。でも、欧米へ行ったら、私達は日本人である前にアジア人であり、白人優位社会で差別を受ける対象になりうるのだ。

アメリカ社会に見る黒人差別は、バンクシーがいうように白人の問題のように見えるが、当然白人だけが加害者ではない。アジア人の黒人に対する差別意識もひどいものだ。

アメリカ社会の変化を表す「人口調査」


次にデモのニュースから見えてくるアメリカの人種問題から少し角度を変えて、アメリカの人種事情とBlack Lives Matterムーブメントの関係について、アメリカの人口調査から見える実態から考えてみたい。

アメリカの人口調査は、1790年から始まった。最初の調査書では人種については白人、自由な他の白人、そして奴隷と、3種類しか掲示されていない。自由な他の白人とは、貧困層にいた白人やメキシコとの国境線に近い地区のラテン系の人々等を指す。ネイティブアメリカンは、別国の人と思われていたため、調査の対象にはされていなかった。

1850年の人口調査書にMulatto(ムラト―)という名の人種が加わった。これは白人と黒人の間に生まれた人達のことだ。調査書にそのような表記がされるということは、1850年にはすでにミックスレイスの人たちが一定数いたということになる。

上記からわかるように、奴隷の時代から、婚姻関係となるには難しかったとしても、白人と黒人のカップルは存在し、また黒人女性の多くが白人の奴隷主等からのレイプや性虐待にさらされていたという事実も記録されている。興味深いことに、アメリカでは1967年まで、法的に人種を超えた結婚が禁止されていた。禁止された時代でも、2つ以上の人種を背景に持つ家庭の数は確実に増えていた。

それが表面化したのは、1960年の人口調査だ。その年から調査書に表記される人種の種類が増え、アイデンティティーを表現する選択枠が増えたのだ。さらに2000年からは、人種枠は当てはまるもの全てにチェックを入れることができるようになった。
2010年の調査では、人種を超えた結婚が婚姻関係にある人全体の15%になっていた。2013年には、18歳未満の人口の23%がミックスレイスであるという結果も発表されている。

私の夫は、どの角度から見ても黒人だ。アメリカで10年おきに行われる人口調査でも、彼は迷わず黒人という枠にチェックをいれていた。だが、ここ数年アメリカで流行りのDNA鑑定により、彼の家族の背景には、ヨーロッパ人、アフリカ人、アジア人と3人種が存在することがわかり、見た目だけでシンプルに黒人とは言えなくなった。

彼のように多人種をルーツにもつアメリカ生まれの人たちが、人口のマジョリティーになるのもそう遠くない。2045年には、純粋に白人という人の方がマイノリティーになるだろうと推測されている。

オバマ前大統領就任後、白人至上主義のヘイトが急増したが





社会的マイノリティの眼差し

今回のデモを見ていて、いろんな怒りが垣間見られる。人権侵害に対する怒りに加え、コロナでステイホームを強いられたストレスや失業者が4000万人以上の現実の中での先の見えない不安、大統領に対する溜まりに溜まった不信感。

Black Lives Matterは、警察に殺される率が白人に比べて倍以上の黒人が置かれているシステム化された差別に対するスローガンだ。90年代に黒人男性はメディアに「絶滅危惧種」のようだと表現されたほど、あらゆる場面で不当な扱いを受け、その頃には民営化された刑務所の利益のために、無実の罪に問われた黒人が無数に出たという歴史もある。

肌の色だけで判断される危険性


自分の夫や子が肌の色だけでどのような人か勝手に判断され、危険視され、殺されるような目に遭ったらどう思うだろうか。私には想像することすら耐えがたい。

日本の中では日本人である限りその点安全かもしれない。でも、欧米へ行ったら、私達は日本人である前にアジア人であり、白人優位社会で差別を受ける対象になりうるのだ。

アメリカ社会に見る黒人差別は、バンクシーがいうように白人の問題のように見えるが、当然白人だけが加害者ではない。アジア人の黒人に対する差別意識もひどいものだ。




アーティストのバンクシーが新作で、「Black Lives Matterは白人問題だ」と表明した。彼が言いたいのは、差別は黙認してきた人たちの問題でもあるということだ。直接差別行為をしないとしても、差別という暴力を黙ってみていた人たち自身が、沈黙こそが問題であり、その延長線上に、警察による行き過ぎた暴行事件が野放しになっていたとの認識が広まっているのではないだろうか。

どんな状況でも、暴力を振るうという行為は加害者の意思であり、被害者の意思では起こらない。差別という暴力も、被害者や反対する人ばかりが声を上げても、差別する人の意識が変わらないとなくならない。


アメリカ社会の変化を表す「人口調査」


次にデモのニュースから見えてくるアメリカの人種問題から少し角度を変えて、アメリカの人種事情とBlack Lives Matterムーブメントの関係について、アメリカの人口調査から見える実態から考えてみたい。

アメリカの人口調査は、1790年から始まった。最初の調査書では人種については白人、自由な他の白人、そして奴隷と、3種類しか掲示されていない。自由な他の白人とは、貧困層にいた白人やメキシコとの国境線に近い地区のラテン系の人々等を指す。ネイティブアメリカンは、別国の人と思われていたため、調査の対象にはされていなかった。

1850年の人口調査書にMulatto(ムラト―)という名の人種が加わった。これは白人と黒人の間に生まれた人達のことだ。調査書にそのような表記がされるということは、1850年にはすでにミックスレイスの人たちが一定数いたということになる。

上記からわかるように、奴隷の時代から、婚姻関係となるには難しかったとしても、白人と黒人のカップルは存在し、また黒人女性の多くが白人の奴隷主等からのレイプや性虐待にさらされていたという事実も記録されている。興味深いことに、アメリカでは1967年まで、法的に人種を超えた結婚が禁止されていた。禁止された時代でも、2つ以上の人種を背景に持つ家庭の数は確実に増えていた。

それが表面化したのは、1960年の人口調査だ。その年から調査書に表記される人種の種類が増え、アイデンティティーを表現する選択枠が増えたのだ。さらに2000年からは、人種枠は当てはまるもの全てにチェックを入れることができるようになった。

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